イタチ

奈良のイタチ駆除|捕獲器の貸出制度と費用相場・業者の選び方

奈良のイタチ駆除|捕獲器の貸出制度と費用相場・業者の選び方|奈良の町並みと五重塔を背景にしたイタチ、捕獲器と申請書、屋根裏を調査する作業員

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屋根裏を走り回る音と、鼻をつく強烈な臭い。イタチの被害に気づいたとき、まず気になるのは「自分でなんとかできないか」ということではないでしょうか。業者に頼めば数万円から数十万円かかると聞けば、なおさらです。

奈良市にお住まいの方には、ひとつ選択肢があります。奈良市の農政課は、イタチ等の捕獲器を無料で貸し出しています。窓口へ行かずメールで事前申請することもでき、思っているより手が届きやすい制度です。

ただし、この制度だけで問題が片づくわけではありません。貸出は1基・2週間に限られ、捕まえたイタチは自分で放しに行く必要があります。侵入口の封鎖や清掃は対象外です。

この記事では、奈良市が公開している案内をもとに、貸出制度の中身と限界、費用相場、業者に依頼すべき判断基準を整理しました。まず借りて試すか、最初から任せるか。判断材料をそろえてください。

駆除費用ナビ 編集部 環境省・厚生労働省・国民生活センターなど公的機関の一次情報をもとに、害獣駆除の費用と法制度を調査・執筆しています。

奈良市はイタチ捕獲器を貸してくれる

まず制度の中身から見ていきます。イタチ等による農作物被害等の防除のため、農政課が捕獲器の貸出を行っています。

奈良市のイタチ捕獲器貸出制度の要点。捕獲器の大きさは間口18センチ四方で奥行62センチ。貸出は1基につき2週間。申請は窓口かメールで行える。受付は開庁日のみ

捕獲器の大きさと貸出条件

貸し出される捕獲器は、間口が18センチ×18センチ、奥行が62センチほどの大きさです。寸法はいずれも目安として案内されています。

貸出数は1基で、貸出期間は2週間です。在庫がない場合もあるため、事前の問い合わせが案内されています。貸出と返却はいずれも市役所の開庁日のみで、窓口は市役所北棟2階の農政課です。

メールでの事前申請もできる

手続きは農政課の窓口で申請書に記入する形が基本ですが、様式に入力してメールで事前に申請することも認められています。内容が確認されたあと、農政課から連絡が入る流れです。

平日の日中に何度も足を運ぶのが難しい方にとっては、この点は助かるでしょう。ただし受け取り自体は窓口に行く必要があります。

貸出時に従事者証の手続きを行う

イタチを捕獲するには、鳥獣保護管理法に基づく従事者証の発行が必要です。この手続きは捕獲器の貸出を受ける際に行うため、事前に単独で取得しておく必要はありません

受け取りの際には、捕獲器を設置する場所の確認と、留意事項の説明も行われます。設置予定の場所をあらかじめ決めておくとよいでしょう。

借りてから返すまでの流れ

実際の手順を時系列で並べると、負担の大きさが見えてきます。すべて自分で進める前提の制度です。

捕獲器を借りてから返すまでの5ステップ。在庫を確認する、申請する、受け取りと従事者証の手続きを行う、設置して見回る、放獣して返却する

在庫確認から受け取りまで

まず電話で在庫を確認し、申請書を提出します。窓口で記入するか、様式に入力してメールで送る方法から選べます。受け取り時には設置場所の確認と説明を受け、従事者証の手続きも済ませてください。

ここまでで、少なくとも1回は平日の日中に市役所へ足を運ぶ必要が出てきました。仕事の都合がつきにくい方は、この時点で負担を感じるかもしれません

設置してから2週間が勝負

期限は2週間です。この間に設置場所を見極め、餌を仕掛け、こまめに見回る必要があります。捕獲器に動物がかかったまま長時間放置するのは避けなければなりません。

イタチは警戒心が強く、設置してすぐ入るとは限りません。場所が悪ければ、2週間まるごと空振りに終わることもあります

捕まえたあとが最大の関門

奈良市の案内では、捕獲したイタチ等は近隣に迷惑がかからない場所へ自分で放つよう示されています。つまり、捕獲器に入った状態のイタチを、車などで運んで放しに行くのは自分の役目です

威嚇してくる動物を至近距離で扱うことになるため、心理的な負担は小さくありません。この一点で断念する方もいらっしゃいます。

この制度で解決できる範囲と限界

無料で借りられる制度は魅力的ですが、屋根裏の被害を根本から解決するものではありません。何ができて何ができないかを、はっきり分けておきましょう。

捕獲器の貸出制度で解決できることとできないこと。1匹を捕まえることはできる。侵入口の封鎖、複数個体への対応、糞尿の清掃はできない

侵入口は塞がれないまま残る

もっとも大きな問題がこれです。1匹捕まえて放したとしても、家に入れる隙間はそのまま残ります。イタチは3cm程度の隙間を通り抜けるため、別の個体がすぐ入り込んでしまうでしょう。

放したイタチ自体が戻ってくることも考えられます。封鎖まで進めなければ、同じことの繰り返しになります

複数の個体には追いつかない

貸出は1基だけです。屋根裏で繁殖している状況では、1基の捕獲器を2週間動かしても全体には届きません。特に春から夏にかけての繁殖期は、個体数が一気に増えます。

音の聞こえ方が複数の方向から同時にする場合、すでに1匹では収まっていないと考えたほうがよいでしょう。

清掃と消毒は対象外

イタチはため糞の習性があり、同じ場所に糞尿を積み重ねます。放置すれば天井板が腐り、悪臭も建材にしみ込んでいくでしょう。捕獲器を借りても、この部分は自分で処理するか、別途業者に頼むことになります。

そもそもこの制度は、農作物被害等の防除を目的として案内されているものです。住宅の屋根裏被害を想定した仕組みではない点を押さえておいてください。

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駆除そのものは市が行わない

「市役所に頼めば駆除してもらえる」と考える方は少なくありませんが、実態は異なります。

相談は受けるが駆除は実施しない

奈良市の保健衛生課によれば、ネズミや衛生害虫等に関する相談は受け付けているものの、実際の駆除等は行っていないとのことです。原則として土地の所有者か管理者が自らの責任で駆除することになると案内されました。

そのうえで、駆除が困難と判断された場合は専門の駆除業者に依頼するよう示されています。つまり行政の役割は、貸出と情報提供までと考えておくのが正確です

アライグマは別の窓口になる

なお、被害の相手がアライグマの場合、捕獲檻の貸出は別に用意されているものです。こちらは間口40センチ×40センチ、奥行80センチと大きく、個人への貸出期間は2週間、自治会への貸出は最大2か月とされています。

屋根裏の足音が重い場合、相手がイタチではないかもしれません。申請する前に、何がいるのかを確かめておくと無駄がありません

奈良のイタチ駆除費用の相場

業者に依頼する場合の金額感も押さえておきましょう。どこまで頼むかによって幅が出ます。

奈良のイタチ駆除の作業内容ごとの費用の目安。追い出しと封鎖のみで3万円から8万円、清掃と消毒を含めて8万円から18万円、修繕まで含めて18万円から40万円

作業内容ごとの目安

追い出しと侵入口の封鎖だけで済むなら3万円〜8万円程度です。侵入口が複数あり、清掃と消毒も加わると8万円〜18万円まで上がるでしょう。ため糞の堆積で断熱材の交換や脱臭まで必要なら、18万円〜40万円を見ておいてください。

捕獲器の貸出を使えば費用はかかりませんが、封鎖と清掃はどのみち必要になるため、結局その分の出費は残ります

奈良町周辺の古い木造という事情

奈良市には奈良町をはじめ、築年数の長い木造家屋が数多く残っています。こうした建物は屋根と外壁の取り合いや古い換気口など、イタチが通れる隙間が複数あるのが普通です。

封鎖すべき箇所が増えれば作業量も増えるため、同じ被害状況でも金額が上振れしやすくなります。

費用が上がるケース

イタチは3cmほどの隙間から入るため、封鎖すべき箇所がハクビシンより多くなりがちです。侵入口の数がそのまま封鎖の手間と材料費に跳ね返ります。

加えて、独特の強い臭いが建材にしみ込んでいると脱臭の工程が加わります。高所での作業や屋根裏の広さも金額を押し上げる要因になります。

借りる場合と依頼する場合の比較

どちらを選ぶべきかは、被害の程度と、かけられる手間で決まります。並べて比べてみてください。

捕獲器を借りる場合と業者に依頼する場合の比較。費用、期間、捕獲後の対応、侵入口の封鎖、清掃と消毒、再発への備えの6項目で比べる

捕獲器を借りるのが向いている場合

被害に気づいて間もなく、音が単発で、平日の日中に動ける方であれば、まず借りて試す価値はあります。費用がかからないため、状況を把握する目的でも使えます。

ただし、捕まえたあと自分で放しに行けるかどうかは、事前に考えておいてください。ここで手が止まると、捕獲器に入ったまま時間が過ぎることになります

なお、個人へは捕獲器を貸し出していない自治体もあります。近隣では姫路市がこれにあたり、イタチの捕獲は狩猟免許を持つ人への依頼が原則とされています。

業者に依頼したほうがよい場合

複数の方向から音がする、糞が大量に見つかった、天井にシミが出ている、平日に時間が取れない。いずれかに当てはまるなら、最初から依頼したほうが結果的に早く安く済みます。

現地調査と見積りを無料で行う業者であれば、状況を把握するだけなら費用はかかりません。金額を見てから、借りるか頼むかを決めることもできます。

やってはいけないこと

従事者証を受けずにわなを仕掛ける、捕まえたイタチを殺してしまう、屋根裏に上がって追い回す。いずれも避けてください。環境省は、無許可の捕獲について1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されると示しています。

また、中にイタチがいる状態で侵入口を塞ぐのも避けるべきです。閉じ込めれば内部で死んで、悪臭とダニの発生源になります。

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業者を選ぶときの確認事項

依頼すると決めた場合の視点をまとめます。トラブルは実際に報告されているので、慎重に進めてください。

捕獲まで扱えるかを確認する

追い出しのみを行う業者と、許可を取って捕獲まで対応できる業者があります。すでに屋根裏に居着いていて追い出しが難しい状況なら、後者を選んでください。

あわせて、清掃・消毒・封鎖まで一括で請け負えるかも確認しておくと、別の業者を探す手間が省けます。

貸出との差額で保証を評価する

奈良市の捕獲器は無料で借りられるので、業者に払う金額の多くは封鎖と清掃、そして保証に対する対価になります。その3つが見積に書かれているかを確かめてください。

放獣を自分で行う負担をどう見るかによって、妥当と感じる差額も変わってきます。

貸出制度と比べる時間を渡さない業者

奈良市では捕獲器を2週間無料で借りられるため、業者への依頼と比べたうえで決められます。その比較をさせずに当日契約を求める相手は、選択肢を狭めようとしていないかを疑ってください。

国民生活センターは、被害が増えるとあおって契約を急がせ、比較を封じる事業者に注意を促しています。広告の格安料金と請求額が違ったという相談も届いています。

よくある質問

捕獲器の貸出に費用はかかりますか。

奈良市の案内に貸出料の記載はありません。ただし餌の用意や、放しに行く際の移動にかかる費用は自分で負担することになります。詳細は農政課へお問い合わせください。

2週間で捕まらなかった場合はどうなりますか。

貸出期間は2週間と案内されているため、いったん返却することになります。再度借りられるかどうかは在庫状況にもよるので、返却時に相談してみてください。

マンションに住んでいます。捕獲器を借りられますか。

設置場所の確認が貸出時に行われるため、共用部に関わる場合は管理組合や管理会社の了解が必要になるでしょう。まず管理会社に相談し、そのうえで農政課へ問い合わせる順序が確実です。

イタチかテンか分からないのですが、借りても大丈夫ですか。

捕獲器の貸出は「イタチ等」を対象としていますが、範囲の確認は申請時に行われました。相手が分からないまま進めるより、糞や音の記録を持って相談したほうが話が早く進みます。

まとめ

奈良市の農政課は、イタチ等の捕獲器を貸し出しています。間口18センチ四方・奥行62センチほどの大きさで、貸出は1基・2週間、窓口のほかメールでの事前申請も可能です。従事者証の手続きは貸出時に行われます。

ただし、この制度で解決できるのは「捕まえる」ところまでです。侵入口の封鎖、糞尿の清掃と消毒、複数個体への対応は対象外で、捕まえたイタチは近隣に迷惑がかからない場所へ自分で放しに行く必要があります。

市は相談を受けても駆除そのものは行わず、原則は土地の所有者や管理者の責任という位置づけです。業者に依頼する場合の費用は、作業範囲によって3万円〜40万円と幅があります。

被害が浅く、平日に動ける方であれば、まず借りて試す選択も現実的です。一方で音が複数方向からする、糞が大量にある、天井にシミが出ているという段階なら、最初から相談したほうが早く収まります。現地調査と見積りが無料の業者であれば、状況を確かめるだけなら費用はかかりません。