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夕方になると軒下からバタバタと羽音がする。ベランダの下に黒い粒が落ちている。浜松市でコウモリの被害に気づいたとき、他の害獣とは対処の前提が違うことを知っておく必要があります。
浜松市は、コウモリについて捕獲することが大変困難なうえ、捕獲には許可が必要になると明記しています。そのため市が案内しているのは、捕まえることではなく、侵入口を封鎖することです。
しかも市は、封鎖の手順を3段階で示したうえで、避けるべき時期を2つ名指しで挙げています。ここを外すと、封鎖そのものが事故になります。
この記事では、浜松市が公開している案内をもとに、封鎖の3ステップ、避けるべき時期、塞げない場合の代替手段、そして費用相場までを整理しました。
浜松市は捕獲ではなく封鎖を案内している
まず前提の確認からです。コウモリはネズミやアライグマとは、対処の入口から違います。
捕獲が現実的でない
市の案内では、コウモリは捕獲することが大変困難なうえ、捕獲には許可が必要になるとされています。だからこそ、封鎖という方法が示されているわけです。
アブラコウモリは鳥獣保護管理法の保護対象です。許可なく捕まえたり殺したりすることは認められていません。素手で触れる行為も、それ自体が捕獲にあたる可能性があるでしょう。
市は捕獲・駆除等を行わない
浜松市は、原則として市では捕獲、駆除等を行っていないとのことです。自分の所有地や管理地で対応が困難な場合は、専門業者に相談するよう案内されており、その際の作業費用は有料になると明記されています。
所有地・管理地以外で対策が必要な場合は、施設や土地の所有者・管理者にご相談ください。賃貸住宅にお住まいなら、まず管理会社か大家さんへ連絡してください。
窓口は産業部林業振興課
相談先は産業部の林業振興課です。他の自治体では環境部門や保健所が担当することもありますが、浜松市は林業の枠組みで扱っています。
相談には応じてもらえますが、作業までは行われません。この線引きを理解しておけば、連絡してから戸惑わずに済むでしょう。

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市が示す封鎖の3ステップ
浜松市は、封鎖の手順を3つの段階で示しました。どれも簡単そうに見えますが、2つ目に大きな壁があります。
1. 侵入口を確認する
市の案内では、糞が落ちている場所等が侵入口と考えられるとされています。ベランダの手すりの下や、軒下の一部分に糞が集中していれば、その真上を疑ってください。
そして重要なのが隙間の大きさです。1cm程の隙間があればコウモリは出入り可能とされています。人の目には隙間と認識されない幅でも、通り抜けてしまいます。
2. コウモリが家にいない時間帯を調べる
ここが最大の関門です。市は「コウモリが家にいない時間帯を調べる」と、ひとことで書いているだけです。しかし実際には、数日かけて観察する必要があります。
アブラコウモリは日が沈むころにねぐらを出て、餌を求めて飛び立つ生き物です。全個体が出払ったタイミングを見極めなければ、封鎖の意味がありません。1匹でも残っていれば、閉じ込めることになります。
3. その時間帯に塞ぐ
不在の時間帯を把握したら、ガムテープや網などで出入り口を塞ぎます。ただし作業は夜間で、しかも軒下や屋根まわりという高所です。
市も注意点として、封鎖時に家の中にコウモリが取り残されないよう注意するよう促しています。残っていれば閉じ込めて殺してしまい、死体が臭気や害虫の発生源になるとされています。
封鎖を避けるべき2つの時期
この記事でもっともお伝えしたい部分です。市は、封鎖してはいけない時期を具体的に挙げました。
まだ飛べない幼獣のいる時期(6〜8月)
市の案内では、侵入口の封鎖はまだ飛べない幼獣のいる時期である6〜8月を避けるよう示されています。この時期に塞げば、親は外へ出られても子は残されてしまうでしょう。
取り残された子は自力で出られず、そのまま死んでしまいます。壁や天井の内部で死なれると、回収するには開口工事が必要になります。追い出し自体は成功しているのに、結果的に高くつくという状況です。
冬眠前後の時期
もうひとつが冬眠前後です。気温が下がると活動が鈍り、日没後も飛び立たない日が出てきます。
つまり「いない時間帯」そのものが作れなくなるということです。封鎖の前提が崩れるため、この時期の作業は避けるよう案内されています。
実質的に動ける期間は短い
6〜8月と冬眠前後を外すと、残るのは幼獣が飛べるようになった秋と、活動が戻る春です。年間を通して見ると、作業しやすい期間は思ったより限られます。
被害に気づいた時期によっては、次の適期まで待つ判断も必要になるでしょう。その間の糞害をどう抑えるかも、あわせて考えておいてください。
塞げない場合に市が示す代替手段
家の構造上、出入り口を塞ぐのが困難な場合もあります。市はその場合の方法も挙げています。
CDやアルミ箔をぶら下げる
コウモリがいる周辺にCDやアルミ箔を吊るす方法です。市の説明では、コウモリは超音波を出して飛んでいるため、これを乱反射させることで嫌がり、近づかなくなる可能性があるとされています。
手に入りやすい材料で試せる点は利点でしょう。ただし風で飛ばされないよう、しっかり固定する必要があります。
刺激臭のあるものを塗布する
出入り口周辺や、家の中でコウモリが定着する場所に、クレゾールや木酢液など刺激臭のするものを塗布する方法も示されています。
使用する際は、住んでいる側にも臭いが及ぶ点を考慮してください。窓の近くや洗濯物を干す場所の周辺では、使いにくいかもしれません。
いずれも「可能性がある」という水準
気をつけたいのは、市の表現です。CDやアルミ箔については「近づかなくなる可能性があります」とされており、確実に出ていくと保証されているわけではありません。
あくまで封鎖が難しい場合の次善策です。効果がなければ、結局は封鎖に戻ることになるでしょう。
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放置したときに進むこと
時期を待つ判断は正しいのですが、その間も被害は進みます。コウモリは同じ場所にねぐらを構え続けるため、糞が日々積み重なっていくでしょう。ベランダや外壁が汚れるだけでなく、屋内に入り込んでいる場合は天井裏にも堆積しました。
あわせて、コウモリに寄生するダニが問題になることもあります。個体数が増えるほど、あとの清掃と消毒にかかる費用も膨らんでいきます。適期を待つあいだも、糞の清掃や近寄らせない対策は進めておいてください。
自分でやる場合の限界
市の手順は明確ですが、実行するとなると壁がいくつも立ちはだかります。
不在の時間帯を正確につかめるか
日没の時刻は季節によって動くものです。天候によっても飛び立つタイミングは変わります。数日間、毎日同じ時間帯に観察を続けられるかが、最初の関門です。
しかも全個体が出たかどうかは、外から見ているだけでは確認しきれません。ここを誤ると閉じ込め事故になります。
高所での夜間作業になる
封鎖するのは軒下や屋根と外壁の取り合いです。夜間に脚立へ登って作業することになり、転落の危険が伴います。
ご高齢の方や、一人で作業される方には特にすすめられません。安全の確保が、費用より優先されるべき場面です。
糞の清掃と粉じん
封鎖が終わっても、堆積した糞が残ります。コウモリの糞は乾くと崩れやすく、掃く動作で粉じんとなって舞い上がります。防護具なしでの作業は避けてください。
浜松のコウモリ駆除費用の相場
業者に依頼する場合の金額感です。封鎖箇所の数と高さが金額を左右します。
作業範囲ごとの目安
侵入口が1〜2カ所で手の届く高さなら3万円〜10万円程度、糞が堆積して清掃と消毒が加わり封鎖箇所も複数なら10万円〜20万円が目安です。屋根や外壁の広範囲を塞ぐ必要があり足場を組む場合は、20万円〜40万円を見ておくことになります。
コウモリは1cmの隙間から入るため、塞ぐ箇所が想定より増えやすい動物です。
浜松という土地の事情
浜松市は市街地から山間部まで市域が広く、川と海にも面しています。市の案内が林業振興課の管轄になっているのも、こうした地理を反映したものでしょう。
住宅地であっても、緑地や水辺が近ければコウモリが餌を取りやすい環境です。「山際ではないから関係ない」とは言い切れません。実際、アブラコウモリは市街地の住宅を好んでねぐらにする種です。
費用が上がるケース
2階以上の高所、屋根の形状が複雑、外壁の劣化で隙間が多いといった条件では金額が上がります。糞が長期間堆積して脱臭が必要になる場合も同様です。
見積りを取る際は「駆除作業一式」ではなく、封鎖箇所ごとの単価が記載されているかを確認してください。
業者を選ぶときの確認事項
依頼先を選ぶ際の視点をまとめます。コウモリの場合、時期の判断ができるかどうかが特に重要です。
時期の判断ができるか
幼獣期や冬眠前後を避けるという判断は、業者選びでもそのまま効いてきます。季節を問わず「すぐ封鎖します」と答える業者には注意が必要です。
現地を見たうえで、いつ作業すべきかを説明してくれるかどうかを確かめてください。
封鎖と清掃まで一括で頼めるか
追い出しだけでは再発します。封鎖と清掃・消毒まで一括で請け負えるかを確認してください。再発保証の年数と適用条件も、業者によって差が出る部分です。
封鎖を避けるべき時期に当日工事を勧められたら
浜松市は、幼獣期にあたる6月から8月と冬眠の前後には封鎖を避けるよう示しています。この時期に当日中の封鎖工事を強く勧められた場合、市の案内と食い違っていないかを確かめてください。
国民生活センターは、不安をあおって契約を急がせ、他社と比べさせない事業者との契約を避けるよう呼びかけています。広告の料金と請求額が違ったという相談も届いています。
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よくある質問
市に連絡すれば追い出してもらえますか。
いいえ。浜松市は原則として捕獲、駆除等を行っていません。相談には応じてもらえますが、実際の作業は自分で行うか、専門業者に依頼することになります。作業費用は有料になると案内されています。
コウモリを捕まえて逃がしてもよいですか。
できません。市も捕獲には許可が必要としています。アブラコウモリは鳥獣保護管理法の保護対象で、無許可の捕獲は認められていません。素手で触れる行為も捕獲にあたる可能性があるため、避けてください。
今が6月ですが、待つしかないのでしょうか。
市はまだ飛べない幼獣のいる時期である6〜8月を避けるよう示しています。ただし糞の清掃や、CDやアルミ箔を吊るす対策は並行して進められます。実際に子がいるかどうかも含めて、一度現地調査を受けて判断してもらうのが確実です。
1cmの隙間をすべて塞ぐ必要がありますか。
実際に使われている侵入口を塞ぐことが最優先です。ただしコウモリは別の隙間を見つけて入り直すことがあるため、周辺の同程度の隙間もあわせて確認しておくほうが確実でしょう。糞が落ちている場所が手がかりになります。
まとめ
浜松市は、コウモリについて捕獲することが大変困難なうえ許可も必要だとして、侵入口を封鎖する方法を案内しました。原則として市では捕獲、駆除等を行っておらず、対応が困難な場合は専門業者への相談をすすめています。
封鎖の手順は3つです。糞が落ちている場所から侵入口を確認し、コウモリが家にいない時間帯を調べ、その時間帯にガムテープや網で塞ぐ。1cm程の隙間があれば出入りできる点にご注意ください。
もっとも重要なのが時期です。市は、まだ飛べない幼獣のいる6〜8月と、冬眠前後の時期を避けるよう示しています。この時期に塞げば子が取り残され、死体が臭気や害虫の発生源になります。
構造上塞げない場合は、CDやアルミ箔を吊るす方法や、クレゾールや木酢液を塗布する方法が挙げられていますが、いずれも「可能性がある」という水準です。夜間の高所作業や時期の判断に不安があれば、現地調査と見積りが無料の業者に一度見てもらってください。状況を確かめるだけなら費用はかかりません。