コウモリ

軒下のコウモリ対策|封鎖できない場所で糞被害を止める方法

軒下のコウモリ対策|封鎖できない場所で糞被害を止める方法|軒下にぶら下がるコウモリと外壁の尿の跡、ネットとテグスと忌避剤のイメージ

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ベランダや玄関先に、黒い粒が毎朝たくさん落ちている。見上げると軒下の隅にコウモリがぶら下がっている。そんな状況で困っている方は少なくありません。

ここで知っておきたいのは、軒下の対策は屋根裏とはまったく別物だという点です。屋根裏なら侵入口をふさげば解決しますが、軒下は開放された空間なので塞ぎようがありません。

つまり目指すべきは「入れなくする」ではなく「留まれなくする」ことになります。追い出しただけで放置すれば、数日のうちに戻ってくるでしょう。

この記事では、軒下が選ばれる理由、糞と尿による被害、寄せつけないための4つの方法、そして安全な清掃の手順までをまとめました。

駆除費用ナビ 編集部 環境省・厚生労働省・国民生活センターなど公的機関の一次情報をもとに、害獣駆除の費用と法制度を調査・執筆しています。

軒下は「塞ぐ」のではなく「留まらせない」

対策の考え方が根本的に変わります。軒下は封鎖できないため、コウモリにとって居心地の悪い環境をつくることが目標です

軒下と屋根裏でコウモリ対策が変わる理由。屋根裏は閉じた空間なので侵入口を封鎖すれば解決する。軒下は開放された空間で塞ぐことができないため、ネットやテグス、忌避剤で留まらせない対策に切り替える必要がある

屋根裏との決定的な違い

屋根裏は閉じた空間で、出入り口が限られています。追い出したうえで1cmの隙間まで封鎖すれば、物理的に入れなくなるでしょう。

ところが軒下には、そもそもふさぐべき「穴」がありません。屋根が張り出した下の空間全体が、コウモリにとって利用可能な場所になっています。

忌避剤で追い出しても、環境が変わらない限り同じ場所に戻ってきます。ここが軒下対策の難しさです。

住み着きと夜の立ち寄りは別

軒下の利用には2つのパターンがあります。日中の休息場所として住み着いているケースと、夜の狩りの合間に立ち寄って休むケースです。

後者の場合、日中に見に行ってもコウモリの姿はありません。それでも毎晩立ち寄られていれば、糞は着実に溜まっていきます。「昼間はいないのに糞が増える」という状況は、このパターンにあたります。

追い出しだけでは必ず戻る

スプレーで追い払っても、それは一時的な効果にすぎません。コウモリは条件のよい場所を記憶し、繰り返し訪れる習性があります。

だからこそ、追い出しとセットで「留まれない環境づくり」が必要になります。この記事の後半で紹介する4つの方法が、その中心になるわけです。

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なぜ軒下にぶら下がるのか

軒下が選ばれるのには理由があります。雨風・足場・立地という3つの条件がそろっているためです。

コウモリが軒下にぶら下がる3つの理由。雨風をしのげて外敵が近づけない、わずかな段差や凹凸に爪をかけてぶら下がれる、夜の狩りの合間に休む場所として使う。どれも人が近づかない場所という条件が共通している

雨風をしのげて外敵も来ない

屋根が張り出している軒下は、雨に濡れず風もあたりにくい空間です。地上から離れているため、猫などの外敵も近づけません。

加えて、人が日常的に立ち入る場所でもありません。静かで安全という条件は、コウモリにとって理想的です。

わずかな段差に爪をかけられる

コウモリは足の爪を引っかけてぶら下がります。垂直な壁でも、わずかな段差や凹凸、木材の継ぎ目があれば十分な足場になるのです

「つかまる場所なんてない」と思える平らな面でも、実際には利用されている場合があります。糞が落ちている位置の真上を注意深く見てください。

周辺にエサとなる虫が多い

アブラコウモリは主に昆虫を食べます。街灯や玄関灯の周りには虫が集まるため、その近くは狩り場として好条件です。

照明の近くにある軒下は、休憩場所とエサ場が両立します。夜間の照明を見直すだけでも、寄りつきにくさは変わってくるでしょう。

軒下で起きる被害

被害は糞にとどまりません。尿が外壁に付着して白い跡となり、塗装を傷める点も見過ごせません

軒下のコウモリで起きる3つの被害。糞が真下に積もりベランダや玄関、洗濯物が汚れる。尿が外壁に付着して白い跡になり塗装が傷む。悪臭に加えてダニや感染症のリスクが生じる

糞が真下に積もる

コウモリはぶら下がったまま排泄するため、糞はまっすぐ下に落ちます。ベランダ、玄関先、駐車場、エアコンの室外機の上などに積もっていくでしょう。

洗濯物を干している場所なら、直接付着する事態も起こります。糞は黒っぽくパサパサしており、衣類に付くと落としにくいうえ、臭いまで移ってしまいます。

尿の跡が外壁に残る

見落とされがちなのが尿による被害です。外壁を伝って垂れた尿は乾くと白い跡として残り、鳥のフンと勘違いされることもあります。

この跡は時間が経つほど落ちにくくなり、放置すれば塗装の劣化を招きかねません。気づいた段階で拭き取っておけば、外壁の傷みを抑えられます

悪臭・ダニ・感染症のリスク

糞尿が溜まれば当然におい、そしてカビやダニの発生源になります。玄関先やベランダなら、生活空間に直結する場所です。

加えて、動物の糞には人にうつる病原体が含まれている可能性があります。厚生労働省も、動物から人へ感染する動物由来感染症について注意を呼びかけました。乾いた糞の粉じんを吸い込む経路もあるため、清掃には配慮が必要です。


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軒下のコウモリを追い出す手順

寄せつけない対策に入る前に、まずいる個体に出ていってもらいます。ただし作業できる時期は春と秋に限られます

適期は春と秋

4〜5月と9〜10月が適期です。夏(6〜8月)は子育て期にあたり、まだ飛べない子どもが取り残される恐れがあります。冬は冬眠中で、忌避剤への反応が鈍くなります。

この制約は屋根裏の場合と共通です。時期を外すと、労力をかけても成果につながりません。

屋外にはスプレータイプを使う

忌避剤はタイプを使い分けます。屋根裏のような閉じた空間ではくん煙タイプが向きますが、軒下のような屋外ではスプレータイプが適しています。開放空間では煙が拡散してしまうためです。

ぶら下がっている場所とその周辺に直接吹きかけます。作業は日没後、コウモリが動き始める時間帯に行ってください。天然香料を使った製品なら、周囲への影響も抑えられます。

捕まえてはいけない

作業中に注意したいのが法律です。コウモリは鳥獣保護管理法で保護されており、許可なく捕獲したり傷つけたりすると、1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象になります。

網で捕まえて外へ逃がす行為も、捕獲にあたります。追い出しと寄せつけない対策だけで対処してください。

寄せつけないための4つの方法

ここからが軒下対策の本題です。物理的に入らせない方法ほど効果が長続きします

軒下にネットやテグスを張るときの注意点。ぶら下がる面をしっかり覆う、端に隙間を残さない、風で揺れないように張る。張り方が雑だと材料を変えても戻られる
張り方が雑だと材料を変えても戻ります

防鳥ネットで物理的に入らせない

最も確実なのがネットの設置です。軒下の開口部を覆ってしまえば、そもそもぶら下がれなくなります。

コウモリは視力が発達しておらず、超音波で周囲を把握しています。そのためネットをうまくすり抜けることが難しく、目の細かい製品なら侵入を防げるでしょう。傷つけずに遠ざけられる点でも、法律上の心配がありません。

設置の際は、端に隙間ができないよう注意してください。数年もつため、費用対効果は高い方法だと言えます。

テグスを張って超音波を妨げる

テグス(釣り糸のような細い糸)を軒下に何本か張る方法もあります。コウモリが発する超音波を乱し、建物の形を把握しにくくさせる狙いです。

ネットより費用を抑えられ、見た目の圧迫感も少なくなります。ただし効果はネットほど確実ではないため、他の方法と組み合わせるのが現実的でしょう。

ジェルタイプの忌避剤を吊るす

ジェルタイプの忌避剤は、トレイに入れて軒下に吊るして使います。カプサイシンやメントールといった、コウモリが嫌う成分を配合した製品が中心です。

スプレーが数時間しかもたないのに対し、ジェルは半年から1年ほど効果が続きます。製品によってはさらに長持ちするタイプも見つかるでしょう。追い出した後の再発防止として置いておくと有効です

超音波・光は補助にとどめる

超音波装置やLEDライトも市販されています。コウモリが超音波で周囲を把握する習性を利用するもので、ソーラー充電式で軒下に吊るせるタイプも見かけます。

ただし、慣れると効きにくくなる点は他の害獣と同じです。これだけで解決した例は多くないため、ネットや忌避剤の補助として位置づけてください。

組み合わせ方の考え方

予算と手間に応じて、次のように考えると選びやすくなります。

この表の金額は、当編集部が2026年8月時点で駆除業者10社の公開料金と施工事例を調査してまとめた目安です。害獣駆除には国や自治体が定めた公定価格はありません。実際の金額は現地調査を受けたうえでの見積もりで確認してください。

方法 効果 持続 費用
防鳥ネット 高い 数年 3,000円〜1万円
テグス 中程度 1〜2年 500円〜2,000円
ジェル忌避剤 中程度 半年〜1年 2,000円〜4,000円
超音波・光 限定的 補助 2,000円〜6,000円

確実性を求めるならネットを軸にし、届きにくい部分を忌避剤で補うのがおすすめです。予算を抑えたい場合は、テグスとジェル忌避剤の組み合わせから試してみるとよいでしょう。

糞の清掃と外壁の汚れ対策

対策と並行して、溜まった糞と外壁の跡も片づけましょう。乾いた糞をそのまま掃くと、粉じんを吸い込む恐れがあります

軒下の糞を安全に清掃する4ステップ。防護具を着ける、霧吹きで糞を湿らせて粉じんを立てない、ほうきとちりとりで回収して二重の袋に入れる、消毒して外壁の跡を拭き取る。いきなり高圧洗浄をかけると粉じんと汚水が飛散する

清掃の4ステップ

まずマスク・ゴム手袋・保護メガネを着け、長袖長ズボンで肌の露出を避けます。次に霧吹きで糞を湿らせてください。この工程を飛ばすと、細かい粉じんが空気中に舞い上がります。

湿らせたらほうきとちりとりで回収し、ビニール袋を二重にして口を縛ります。掃除機は排気で菌をまき散らすので使いません。回収後は消毒液で拭き上げましょう。

作業が終わったら、使った道具と衣類を処分または洗濯し、手洗いとうがいまで済ませてください。

いきなり高圧洗浄はしない

ベランダの糞をホースや高圧洗浄機で一気に流したくなるかもしれません。ただし、乾いた糞に水を勢いよく当てると、粉じんと汚水が周囲に飛び散ります。

順番としては、まず霧吹きで軽く湿らせて回収し、そのあとで水洗いします。手間はかかりますが、飛散を防ぐには必要な段取りです。

外壁の白い跡への対処

尿の跡は、早い段階なら中性洗剤と柔らかいブラシで落とせる場合があります。時間が経って結晶化したものは落ちにくくなります。

強くこすると塗装を傷めるため、力任せの作業は避けてください。広範囲に及んでいる場合や落ちない場合は、外壁塗装の専門業者に相談する選択肢もあります。

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軒下のコウモリに関するよくある質問

昼間はいないのに糞が増えるのはなぜですか?

夜の休憩場所として使われている可能性があります。狩りの合間に立ち寄って休むだけなので、日中に見に行っても姿はありません。それでも毎晩訪れていれば、糞は着実に溜まっていくでしょう。

ネットを張ると見た目が悪くなりませんか?

目立ちにくい色の製品を選ぶと印象は変わるでしょう。見た目を優先するならテグスのほうが目立ちませんが、効果はネットに劣ります。糞害の程度と見た目のどちらを重視するかで判断してください。

1匹だけなら放っておいてもいいですか?

おすすめできません。条件のよい場所と認識されると繰り返し訪れ、仲間を呼び寄せて数が増えることもあるためです。早い段階で対策したほうが、費用も手間も小さく済みます。

今が夏ですが、何かできることはありますか?

追い出しは9月ごろまで待つ必要がありますが、糞が落ちる場所にシートを敷いて汚れを防ぐことはできます。洗濯物を別の場所に干す、室外機にカバーをかけるといった対応も有効でしょう。

業者に頼むといくらかかりますか?

作業範囲と高さによって幅があり、軽度なら数万円、足場が必要な高所では十数万円規模になることもあります。現地調査と見積りが無料の業者なら、金額の確認までは0円で済みます。

まとめ:追い出しと「留まらせない」をセットで

軒下は開放された空間のため、屋根裏のように封鎖できません。目指すのは「入れなくする」ことではなく、コウモリが留まれない環境をつくることです。

被害は糞だけでなく、外壁に残る尿の白い跡にも及びます。放置すれば塗装の劣化につながるため、気づいた段階で拭き取っておきましょう。

手順としては、春か秋にスプレータイプの忌避剤で追い出し、そのうえで防鳥ネットを軸にテグスやジェル忌避剤を組み合わせます。清掃では必ず糞を湿らせてから回収し、いきなり高圧洗浄をかけないでください。高所での作業が必要な場合は、調査と見積りが無料の業者に相談してみましょう。