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「うちの周りでも増えている気がする」。前橋市で屋根裏の物音に悩んでいる方が抱くこの感覚は、実は数字の裏づけがあります。
前橋市が公開している資料によれば、ハクビシンの捕獲数は令和元年度の61頭から令和4年度には143頭へと、およそ2.3倍に増えています。アライグマにいたっては155頭から501頭と、3倍を超える伸びです。
しかも捕獲域は市内全域にわたり、ハクビシンについては市街地にも生息域を広げていると市は説明しています。郊外の話ではなく、住宅地の問題として広がっているわけです。
この記事では、前橋市が公開しているデータをもとに、なぜ増え続けるのか、捕獲するには何が必要か、市が住民に求めている対策は何かを整理しました。屋根裏に入られたあとの手順と費用感もあわせてお伝えします。
前橋のハクビシン捕獲数は4年で2.3倍
まず数字を押さえておきましょう。市が公開している捕獲実績は、被害の広がりをそのまま映しています。
ハクビシンは61頭から143頭へ
前橋市の場合、令和元年度に61頭であったハクビシンの捕獲数は、令和4年度には143頭と増加傾向にあります。わずか4年で倍以上になった計算です。
捕獲数は「駆除できた数」であると同時に、「それだけ被害が発生している」という指標でもあります。被害相談が増えなければ、捕獲活動もここまで拡大しません。
アライグマはさらに急激に増えている
同じ資料によれば、アライグマの捕獲数は令和元年度の155頭から令和4年度には501頭へと、右肩上がりに年々増え続けています。ハクビシンを上回るペースです。
屋根裏の足音が重い場合、相手がアライグマという可能性も十分にあります。アライグマは見た目に反して気性が荒く凶暴だと市も注意を促しているため、姿を見かけても近づかないでください。
市街地にも生息域が広がっている
捕獲域については市内全域にわたっており、ハクビシンは市街地にも生息域を広げていると市は示しています。近年、前橋市街地でも目撃情報や農作物・生活環境被害の相談が多数寄せられているとのことです。
「山際の家だけの問題」という認識は、すでに実態と合っていません。住宅密集地でも起こりうると考えておいてください。
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なぜ増え続けるのか
数字が伸び続ける理由は、ハクビシンの生態そのものにありました。市が公開しているデータを見ると、増えやすい条件がそろっているのが分かります。
繁殖期が1年中ある
もっとも大きい要因がこれです。市の資料では、ハクビシンの繁殖期は1年中、出産期は春から秋、1回に2〜3頭を出産すると示されています。
季節を問わず繁殖できるということは、「今は繁殖期ではないから大丈夫」という時期が存在しないということです。屋根裏という安全な空間を得れば、そこで数を増やしていきます。
電線を渡って移動する
体が軽く身軽で木登りも得意なうえ、電線を渡って行動することもあると市は説明しています。頭胴長は60〜66cm、体重は3〜6kgと、猫ほどの大きさです。
地面からの侵入だけを警戒しても意味がありません。屋根の高さから入られる前提で、家の上部を点検してください。
昼に活動することもある
基本的には夜行性ですが、昼に活動することもあると記載されています。夜だけ耳を澄ましていると、被害の実態を見誤ってしまうでしょう。
日中に天井から物音がしたという場合も、ハクビシンやアライグマの可能性を捨てないでください。
市も「捕獲だけでは限界」と認めている
注目すべきは、市自身が対策の限界に触れている点です。捕獲だけでの被害減少は限界があるため、住民による自己防衛への協力をお願いすると明記しています。
これは行政の怠慢ではなく、実務的な結論でしょう。繁殖力の高い動物を捕獲だけで抑え込むのは難しく、住む側が入られない家にする以外に道がないということです。
前橋市で捕獲するには市の許可が必要
では自分で捕まえられるのか。制度を確認しておきましょう。
勝手な捕獲は法律で禁止されている
市は、野生鳥獣を勝手に捕獲することは法律で禁止されていると明示しています。ハクビシンは鳥獣保護管理法の保護対象なので、無許可で捕まえれば違法です。
環境省は、違反した場合に1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されると示しています。よかれと思った行動が処罰の対象になりかねません。
自分の敷地内でも許可が要る
ただし道は用意されています。被害防止の目的であれば、自分の敷地内で捕獲することができるとされています。その場合も市の許可が必要になる点は変わりません。
相談窓口は農政部農政課の有害鳥獣対策係で、大胡支所内に置かれています。まず被害の状況を伝えて、手続きを確認するところから始めてください。
捕獲檻の設置には協力が求められている
前橋市では、有害鳥獣捕獲隊の協力により適切な捕獲を行っており、捕獲檻などの設置には理解と協力をお願いすると案内されています。
近所に檻が設置されているのを見かけたら、触れたり近づいたりしないでください。捕獲活動そのものを妨げてしまいます。
市が求める自己防衛の中身
捕獲と並行して、市は住民側の対策を求めています。内容は具体的です。
近寄らせない環境をつくる
廃屋や倉庫、人家の屋根裏に住み家を作らせないよう気をつけること。家庭から出た生ごみや廃果実を堆肥代わりに農地や庭先へ放置しないこと。ペットフード類も餌になると指摘されています。
庭に果樹があるご家庭では、落ちた実をそのままにしないだけでも違ってくるはずです。餌があるかどうかは、住み着くかどうかを左右します。
侵入口となる隙間や穴を塞ぐ
屋内に侵入されている場合には、どこかに侵入口となりえる隙間や穴があるので、それを塞ぐようにと案内されています。住宅被害では、ここが最大の分かれ目です。
ハクビシンは頭が入る大きさの隙間なら通り抜けます。屋根と外壁の取り合い、換気口、配管の貫通部など、地上からは見えにくい場所を点検してください。
電気柵は農地向け
畑や果樹園、養魚池などは電気柵等で周りを囲むよう示されていますが、これは農地への侵入を防ぐための手段です。住宅の屋根裏被害には使えません。
住宅にお住まいの方は、環境整備と封鎖の2本柱で考えてください。
屋根裏に入られたあとの手順
すでに住み着かれている場合、順序を守らないと事態が悪化します。
追い出し→封鎖→清掃の順で進める
まず忌避剤などで出ていってもらい、退去を確認してから侵入口を塞ぎ、最後に糞尿を清掃・消毒しましょう。この順番が鉄則です。
中にいる状態で塞げば閉じ込め事故になり、内部で死んだ個体が悪臭とダニの発生源になります。取り出すために壁を開ける工事が必要になるケースもありました。
ため糞と悪臭、施設の破損
市も、屋根裏や畜舎等に侵入して施設を破損させるほか、糞尿による汚損や悪臭、鳴き声による生活環境被害、住民の健康への悪影響を挙げています。
ハクビシンは決まった場所に排泄を重ねるため、時間が経つほど天井板が傷んでいくでしょう。放置した期間が、そのまま修繕費に跳ね返ってくると考えてください。
自分でやる場合の限界
追い出しと封鎖は許可なく行えますが、屋根裏は一般の方が安全に作業できる場所ではありません。高所での作業に加え、乾いた糞の粉じんを吸い込む危険もあります。
侵入口が複数ある、高所にある、子どもの鳴き声がするといった場合は、無理をしないほうが結果的に早く収まるでしょう。
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前橋のハクビシン駆除費用の相場
業者に依頼する場合の金額感です。作業範囲によって幅が出ます。
作業内容ごとの目安
追い出しと侵入口の封鎖で済むなら3万円〜10万円程度、清掃と消毒、複数箇所の封鎖まで含めると10万円〜25万円が目安です。断熱材の交換や天井の補修まで必要なら、25万円〜50万円を見ておくことになります。
気づいた時期が早いほど金額は小さく収まるため、物音の段階で調査を受けるのが結局は安上がりです。
費用が上がるケース
高所で足場が必要になる場合、屋根裏の面積が広い場合、繁殖して個体数が増えている場合は金額が上がります。天井裏に堆積した糞尿の量も直接効いてきます。
見積りを取る際は「駆除作業一式」ではなく、作業ごとの単価が記載されているかを確認してください。
業者を選ぶときの確認事項
依頼先を選ぶ際の視点をまとめます。トラブルは実際に報告されているので、慎重に進めてください。
封鎖と清掃まで一括で頼めるか
追い出しだけでは再発します。封鎖と清掃・消毒まで一括で請け負えるかを確認してください。再発保証の年数と適用条件も、業者によって差が出る部分です。
封鎖まで含めた保証なのかどうかは、契約前に必ず確かめておきましょう。
ハクビシンとアライグマの両方に対応できるか
前橋市ではどちらの捕獲数も増えており、屋根裏の相手が途中で入れ替わることもあります。片方だけを想定した見積になっていないかを確かめてください。
極端に安い金額を提示された場合は、含まれない作業がないかを行ごとに読み返す必要があります。
捕獲数の増加を煽り文句に使われたとき
前橋市の捕獲数が増えていることは事実ですが、その数字は「今すぐ契約しなければ危ない」という理由にはなりません。数字を示されたら、自分の家で何が起きているのかに話を戻してください。
国民生活センターは、不安をあおって契約を急がせ、他社と比べる機会を奪う事業者との契約を避けるよう呼びかけています。作業後に広告と異なる高額請求を受けた相談も届いています。
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よくある質問
市に連絡すれば駆除してもらえますか。
市は捕獲隊の協力による捕獲活動を行っていますが、家屋に侵入した個体を職員が捕まえに来る仕組みではありません。捕獲には許可が必要で、自分で行うか業者に依頼することになります。まずは農政課の有害鳥獣対策係へ相談してください。
自分の家の屋根裏なら、勝手に捕まえてよいですか。
いいえ。被害防止の目的で自分の敷地内であれば捕獲できるとされていますが、その場合も市の許可が必要です。無許可の捕獲は法律違反になるので、必ず先に相談してください。
捕獲数が増えているのは、駆除が進んでいるということですか。
両方の面があります。捕獲活動が広がった結果でもありますが、市は生息域が市街地に広がっていると説明しており、被害相談も多数寄せられているとしています。数字の増加は、身近な問題になっている裏づけと考えたほうがよいでしょう。
屋根裏の音がハクビシンかアライグマか分かりません。
どちらも重い足音を立てるため、音だけの判別は困難です。糞の大きさや落ちている場所、臭いを合わせて確認することになります。前橋市ではどちらも捕獲数が増えているので、両方の可能性を念頭に置いて調査を受けるのが確実です。
まとめ
前橋市のハクビシン捕獲数は、令和元年度の61頭から令和4年度には143頭へと増加しました。アライグマは155頭から501頭と、さらに急な伸びを示しています。捕獲域は市内全域におよび、市街地にも生息域が広がりました。
増え続ける背景には、繁殖期が1年中あること、1回に2〜3頭を出産すること、電線を渡って移動できることがあります。市自身も捕獲だけでの被害減少は限界があるとして、住民による自己防衛への協力を求めています。
捕獲には市の許可が必要で、自分の敷地内であっても例外ではありません。住宅でできるのは、餌になるものを置かない環境づくりと、侵入口を塞ぐことの2つです。
すでに屋根裏に入られている場合は、追い出し・封鎖・清掃の順を守ってください。順序を誤ると閉じ込め事故になり、費用も手間も増えます。費用は作業範囲によって3万円〜50万円と幅がありますが、気づいた時期が早いほど小さく収まります。現地調査と見積りが無料の業者であれば、状況を確かめるだけなら費用はかかりません。