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庭先でハクビシンらしい動物を見かけて、市に電話したら「実害はありますか」と聞き返された。そんな経験をした方が、さいたま市には少なくありません。冷たい対応に感じられますが、これには制度上の理由があります。
さいたま市はハクビシンについて、目撃や感情的な理由だけでは捕獲できないと公式に記載しています。裏を返せば、条件を満たせば現地確認まで進む仕組みが用意されているということです。
この記事では、市の記載をもとに、どこからが実害として扱われるのか、相談するときに何を伝えればよいのかを整理しました。相談先が本庁ではなく10区に分かれている点も扱います。
市が担う範囲と自分たちに残る作業を切り分けられれば、次に動くべき順番が見えてきます。
さいたま市は「実害がないと動かない」と書いている
結論から書きます。さいたま市はハクビシンについて、目撃や感情的理由のみによる捕獲はできないと明記しています。そのうえで、実害があった場合は現地確認のうえ、被害状況に応じて防除対策の助言や捕獲を行うという整理でした。
市が例に挙げている実害
市の記載では、家屋に侵入され汚された、畑を荒らされたという例が挙げられています。屋根裏に糞尿がたまっている状況は、まさにこれにあたります。
逆に、庭を横切るのを見た、屋根の上を歩いていたという段階では条件を満たしません。まだ入られていないのであれば、餌になるものを片づけて侵入口をふさぐほうが先になります。
特定外来生物ではないという位置づけ
ハクビシンは生態系被害防止外来種にあたりますが、特定外来生物には指定されていません。市はこの点を明示したうえで、鳥獣保護管理法の対象種であると説明しています。
この分類の違いが、次の章で扱うアライグマとの扱いの差につながっています。屋根裏に入り込む点は同じでも、行政の側でたどる制度が別なのです。
実害として示せるものを控えておく
現地確認へ進むかどうかは、伝えた内容で決まります。電話をかける前に、記録を手元にそろえておくと話が早く進みます。
写真は日時と場所を添えて残す
天井のシミ、天井裏に落ちた糞、荒らされた作物などを撮っておきます。撮影した日付が分かるようにしておけば、被害がいつから続いているのかを説明できます。
ただし、屋根裏へ上がって撮ろうとするのは避けてください。天井板を踏み抜く事故が起きていますし、粉じんを吸い込む危険もあります。
被害が続いている期間を言えるようにする
いつから音がしているのか、糞に気づいたのはいつかを整理しておくと、被害の程度が伝わりやすくなります。先週からなのか半年前からなのかで、現地確認での見立ても変わります。
正確な日付が思い出せなくても構いません。季節や出来事と結びつけて、およその時期を伝えられれば十分です。
音のする時間帯を記録しておく
夜に動き出すのか、明け方に静かになるのかというパターンは、動物の種類を絞る材料になります。数日分をメモしておくと、現地確認の際にも役立ちます。
足音の重さも手がかりです。ハクビシンとアライグマはどちらも重い音を立てるため、音だけでは判別しきれない点は覚えておいてください。

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相談先は本庁ではなく10区に分かれている
さいたま市でハクビシンとアライグマの捕獲などについて相談する窓口は、お住まいの各区役所くらし応援室です。市役所の代表番号にかけても、結局は区の窓口へ回されます。
10区それぞれに直通番号がある
西区、北区、大宮区、見沼区、中央区、桜区、浦和区、南区、緑区、岩槻区の10区に、それぞれ直通の番号が用意されています。市の外来生物のページに一覧が掲載されています。
政令指定都市であるぶん、窓口が分かれるのは他都市でも見られる形です。ただし番号が区ごとに違うので、かけ間違えると時間を取られます。
電話する前にそろえておくもの
住所と連絡先のほか、被害の内容と気づいた時期、音のする時間帯を手元に置いてかけると、一度のやり取りで済みます。写真が撮れていれば、その旨も伝えてください。
現地確認の日程調整に入る可能性もあるので、在宅できる曜日を考えておくと話が進みます。区の窓口は平日の日中しか開いていません。
制度そのものの質問は環境対策課
捕獲の相談は区の窓口ですが、外来生物の制度に関する問い合わせは環境対策課が担当しています。目的によって連絡先が変わる点に注意してください。
自分の家の被害について相談したいのであれば、区のくらし応援室が入り口になります。
アライグマとハクビシンでは根拠になる制度が違う
同じ屋根裏に入る動物でも、行政がたどる制度は別です。この違いを知らないまま相談すると、話が噛み合わなくなります。
アライグマは県の防除実施計画にもとづく
アライグマは特定外来生物にあたり、さいたま市は埼玉県が策定した埼玉県アライグマ防除実施計画にもとづいて防除対策を実施しています。生活被害の軽減に努めるという位置づけです。
敷地内に棲みついた、家屋被害や農作物被害があるという段階で、区のくらし応援室へ相談するよう案内されています。
ハクビシンは鳥獣保護管理法の枠組み
一方のハクビシンは、鳥獣保護管理法の対象種として扱われます。だからこそ、目撃だけでは捕獲できないという条件が付くわけです。
無許可の捕獲や殺傷には1年以下の懲役または100万円以下の罰金が定められています。屋根裏にいるのがどちらか分からない段階でも、自分で檻を仕掛けることは避けてください。
民有地の駆除は市が行わないと明記されている
市は、民有地における外来生物の駆除は行っていないとしたうえで、アライグマと被害に基づくハクビシンは除くと注記しています。この2種だけが例外という書き方です。
言い換えると、条件を満たさない相談は民有地の管理者、つまり所有者が対応することになります。ここが線引きの実体です。
市が担う範囲と、残る作業
捕獲まで進んだとしても、それで終わりにはなりません。封鎖と清掃は住民か業者の側に残ります。
侵入口をふさがなければ次が入る
ハクビシンは頭が入る大きさの穴を通り抜け、雨樋や柱を垂直に登ります。1頭を捕獲しても経路が残っていれば、別の個体が同じ場所から入ってきます。
市の説明でも、雨樋や柱を登る能力と、天井裏へ侵入しやすい性質が挙げられていました。封鎖まで含めて計画を立ててください。
封鎖に使う材料には条件がある
ハクビシンは力が強く、金網の目が粗いと押し広げられます。ステンレスのパンチングメタルや、目の細かい金網をビス留めするといった施工が必要になります。
コーキング材や発泡ウレタンだけでふさぐと、噛み破られて元に戻ってしまうかもしれません。屋根の上や軒先の高い位置であれば、足場の検討も含めて業者に任せたほうが確実です。
糞尿の清掃と消毒は別の工程
天井裏に残った糞尿は、時間が経つほど建材にしみ込みます。断熱材が汚れている場合は洗って戻すことができず、交換するしかありません。
厚生労働省は動物由来感染症について、動物と接触したあとの手洗いなど基本的な予防を呼びかけています。作業する際はマスクと手袋を着けてください。
さいたまでハクビシン駆除を頼んだ場合の費用
金額は作業の範囲で決まります。市の制度で捕獲まで進めた場合でも、封鎖と清掃の費用は別に見ておく必要があります。
作業ごとの目安
追い出しと封鎖までなら5万円から15万円ほど、糞の清掃と消毒まで含めると15万円から25万円ほどが目安です。断熱材の交換や天井の張り替えまで進むと、30万円を超えることもあります。
さいたまで費用が動きやすい条件
市内は住宅が密集した地域と、畑が残る地域が混在しています。前者では隣家との距離が近く足場を組みにくい現場があり、後者では侵入経路が屋根以外にも広がりがちです。
放置していた期間の長さも金額を押し上げます。天井にシミが出ている段階では、清掃だけでなく張り替えまで必要になることが多くなります。
見積で確かめること
「駆除作業一式」ではなく、追い出し、封鎖、清掃、消毒、復旧がそれぞれいくらなのかが分かれているかを見てください。市の制度で捕獲だけ済ませた場合、どこから頼むのかを伝えたうえで見積を取ると比べやすくなります。
国民生活センターは、不安をあおってその場で契約させ、他社と比較する機会を奪う事業者とは契約しないよう呼びかけています。作業後に広告と異なる高額な請求を受けた事例も報告されました。
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実害が出るまで待つべきではない理由
市の条件を読むと、被害が出るまで動けないように見えます。ただし、それは行政の対応が始まる時期の話であって、住民が何もできない期間ではありません。
侵入前にできることは残っている
屋根に近い枝を切る、生ごみや落果を外に置かない、換気口や軒下の隙間を点検するといった作業に許可は要りません。これらは実害が出る前だからこそ効果があります。
ハクビシンはブドウやビワ、銀杏の実などの果実を好むと市も説明しています。庭木に実が付いたまま放置していないかを、まず確かめてみてください。
入られてからでは費用の桁が変わる
侵入前の対策は数千円から数万円で収まりますが、天井裏に住み着かれると清掃や消毒、断熱材の交換まで必要になります。金額の差は、実害が出たあとに一気に開きます。
つまり市の制度が動き出す時点は、費用の面ではすでに遅い段階です。制度を待つのではなく、制度が動く前に手を打つほうが安く済みます。
近隣の自治体と比べてみる
埼玉県内でも、市町によって仕組みは分かれています。県の研修を受けてアライグマ捕獲従事者になる制度を案内する市町もあれば、委託業者が箱わなの設置と回収まで行う市もあります。
さいたま市は、実害の有無を条件として現地確認から入る形です。住んでいる自治体の記載を先に読むかどうかで、動き方が変わります。
よくある質問
庭で見かけただけでは相談できませんか。
相談自体はできますが、捕獲には進みません。市は目撃や感情的理由のみによる捕獲はできないとしています。まだ屋内に入られていない段階であれば、餌になるものを片づけ、侵入口をふさぐ対策が優先されます。
実害があると認められたら市が捕まえてくれますか。
現地確認のうえ、被害状況に応じて防除対策の助言や捕獲を行うと記載されています。必ず捕獲まで進むとは限らないため、まずは区のくらし応援室へ状況を伝えてください。
アライグマだった場合はどうなりますか。
アライグマは特定外来生物にあたり、埼玉県アライグマ防除実施計画にもとづく対策の対象です。敷地内に棲みついた場合や家屋被害がある場合は、同じく区のくらし応援室が相談先になります。
自分で捕獲器を買って設置してもよいですか。
許可のない捕獲は法律違反にあたります。追い出しと侵入口をふさぐ作業であれば許可は要らないので、まずはそちらから進めてください。捕獲を検討する場合は、必ず区の窓口へ相談してください。
まとめ
さいたま市がハクビシンについて実害を条件にしているのは、対応を渋っているからではありません。ハクビシンが鳥獣保護管理法の対象種であり、目撃だけでは捕獲できないという法律上の整理があるためです。
実害があれば、現地確認のうえ助言や捕獲へ進みます。相談先は本庁ではなく10区それぞれのくらし応援室で、制度そのものの質問は環境対策課が担当しています。
アライグマは特定外来生物として県の防除実施計画にもとづく別の枠組みで扱われる動物です。屋根裏の相手がどちらかによって、たどる道筋が変わるという点は押さえておいてください。そして捕獲まで進んでも、封鎖と清掃は自分たちの側に残ります。被害の記録を残しながら、どこから業者に頼むかを組み立てるのが現実的な進め方です。
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