ネズミ

ネズミを天井裏から追い出す|効きにくい理由と正しい順序

ネズミを天井裏から追い出す|効きにくい理由と正しい順序|天井裏のネズミと1.5cmの隙間、封鎖と5ステップのアイコン

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天井裏を走り回る音で眠れない。とにかく追い出したい。そう考えて燻煙剤や忌避剤を探している方は多いはずです。

ただ、ネズミについては先にお伝えしておきたいことがあります。追い出しだけでは、まず戻ってきます。数日静かになっても、それは解決ではありません。

ハクビシンやイタチとは前提が違います。あちらは法律上、追い出しと封鎖しか選べません。ネズミは捕獲も駆除も自分でできるぶん、かえって判断が難しくなります

この記事では、なぜ追い出しが効きにくいのか、天井裏で薬剤を使うときに何に気をつけるべきか、そして正しい順序を整理しました。

駆除費用ナビ 編集部 環境省・厚生労働省・国民生活センターなど公的機関の一次情報をもとに、害獣駆除の費用と法制度を調査・執筆しています。

ネズミは他の害獣と前提が違う

まず法律の扱いから確認しましょう。ここが対処の選択肢を決めていました。

ネズミと他の害獣では法律上の前提が違う。ハクビシンなどは鳥獣保護管理法の保護対象で、できるのは追い出しと封鎖のみ。いえねずみ類3種は法第80条により対象外で、捕獲も駆除もできる

いえねずみ類は法の対象外

環境省は、鳥獣保護管理法第80条の規定により、環境衛生の維持に重大な支障を及ぼす鳥獣としていえねずみ類3種を法の対象外としています。ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミがこれにあたります。

つまり捕獲も駆除も、許可なく自分で行えるわけです。ハクビシンやイタチのように、無許可の捕獲が違法になることはありません。

選べるからこそ、順序が問われる

他の害獣なら「追い出して塞ぐ」以外に道がないため、迷う余地がありません。ネズミは追い出すのか、罠で捕るのか、殺鼠剤を使うのか、複数の選択肢があります。

この自由度が、そのまま難しさにつながっていました。選び方を誤ると、天井裏で死骸を抱えることになります

それでも「追い出したい」と考える理由

殺したくない、死骸を扱いたくない。そう考えるのは自然なことです。追い出しという発想自体が間違いではありません。

ただし、追い出しを封鎖とセットにしなければ意味がないという点だけは押さえておいてください。

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追い出しが効きにくい3つの理由

なぜ戻ってくるのか。理由は3つ挙げられます。

ネズミに追い出しが効きにくい3つの理由。1.5センチの隙間から戻れる、繁殖力が高い、巣と餌があれば居続ける

1.5cmの隙間から戻れる

ネズミは1.5cm程度の隙間があれば通り抜けます。追い出しても経路が残っていれば、同じ場所に帰ってくるでしょう。

燻煙剤で一時的に出ていったとしても、その煙が消えれば戻る理由のほうが多く残っています。巣も餌もそこにあるのですから、当然です。

繁殖力が高い

数匹を追い出しても、残った個体が数を戻します。一部だけの追い出しでは、効果が続きません。

音が減ったと感じても、それは個体数が一時的に減っただけかもしれません。

巣と餌があれば居続ける

コウモリのように季節で移動することもなく、ネズミは条件がそろえば定住します。暖かく、餌があり、外敵が来ない。天井裏はその条件を満たしています。

出ていく理由が、そもそもありません。だからこそ、環境を変えることが対処の中心になります。

天井裏で使うときの注意

グッズを使う前に、回収の見通しを立ててください。天井裏は取り出せない場所です。

天井裏で駆除グッズを使うときの注意。殺鼠剤は死骸を回収できない、粘着シートは回収のために屋根裏へ上がる必要がある、燻煙剤は逃げ道がないと奥へ入り込ませてしまう

殺鼠剤は死骸を回収できない

殺鼠剤を食べた個体は、その場で倒れるとは限りません。多くは巣に戻ってから死にます。天井裏や壁の中で死なれれば、取り出す手段がありません。

悪臭が数週間続き、ダニの発生源にもなります。壁の中の場合、回収には開口工事が必要です

粘着シートは回収に上がる必要がある

天井裏に仕掛ければ、捕まえたあと自分で取りに行くことになります。梁を踏み外せば天井を突き抜けますし、糞の粉じんを吸い込む危険もあります。

設置するなら、室内の通り道や、手の届く範囲にとどめてください

燻煙剤は逃げ道の確保が前提

外へ出る経路がない状態で使うと、壁の中など、より深い場所へ移動させてしまうでしょう。かえって手が届かない場所へ追い込む結果になりかねません。

使うのであれば、侵入口を1カ所だけ残し、そこから出ていってもらう形にします。

正しい順序は5ステップ

ここまでを踏まえた進め方です。封鎖が本命で、追い出しはその前段の作業だと考えてください

ネズミ対策の正しい順序5ステップ。経路を特定する、餌を断つ、追い出しまたは駆除を行う、1.5センチ以上の隙間を金属で塞ぐ、清掃と消毒を行う

1. 経路を特定する

ラットサインと呼ばれる痕跡をたどります。体の脂による黒ずみ、かじり跡、糞の位置。これらが線になれば、通り道が見えてきます。

屋根裏に上がる必要はありません。点検口から腕だけ伸ばして撮影し、外周も見て回ってください。

2. 餌を断つ

食品は密閉容器に移し、生ごみを屋外に置かない。ペットフードも出しっぱなしにしません。

台東区は、ねずみの歯が生涯伸び続け、1年間に1センチメートル程度伸びるため絶えず何かをかじって歯を削る習性があると案内しています。かじるのは食べるためだけではないので、袋のままの保管では防げません

3. 追い出し、または駆除

燻煙剤や忌避剤で出ていってもらうか、罠で捕獲するかを選びます。判断の基準は「回収できる方法かどうか」です

天井裏に殺鼠剤を置くのは、この基準からは外れます。

4. 1.5cm以上の隙間を金属で塞ぐ

ここが本命です。金網、パンチングメタル、金属たわしなど、かじられない材料を使ってください。木やプラスチック、ウレタンでは穴を広げられます。

配管の貫通部、換気口、基礎と土台の隙間。1カ所でも残せば、そこから入られます

5. 清掃と消毒

糞尿は乾いたまま掃くと粉じんが舞います。消毒液で湿らせてから回収し、そのあと消毒してください。手袋とマスクは必須です。

臭いが残ると、それが次の個体を呼ぶ誘引にもなってしまうでしょう。


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ネズミの種類で対処が変わる

いえねずみ類3種は、住む場所も行動も異なっていました。天井裏で音がしているなら、種類はほぼ絞れるでしょう。

天井裏にいるのはクマネズミ

静岡市は、クマネズミについて乾燥した場所を好み、天井裏や壁の中が主な生活場所であると説明しています。体長は約18〜22センチとされ、広い道路でも電線を伝って移動するそうです。

天井裏を走り回る音の正体は、ほぼこの種と考えてよいでしょう。垂直な壁も登れるため、屋根まわりの隙間が主な侵入口になります。

床下や水回りはドブネズミ

体長は約22〜25センチとされ、水に強く泳ぐこともできます。床下や下水周辺が主な生活場所で、天井裏まで上がることはあまりありません。

床下換気口や排水まわりの隙間が侵入口になりがちです。上と下、どちらで音がするかで、塞ぐべき場所が変わります

ハツカネズミは小さく、隙間も小さい

静岡市の案内では体長が約6〜10センチとされ、二十ミリ程度の小さな隙間があれば侵入可能だと説明されています。物置や倉庫が主な生活場所ですが、最近は建物内に住み着くこともあるようです。

種類が違えば侵入口の大きさも変わるため、封鎖の基準も変わってきます。

追い出しで失敗する3パターン

よくある失敗を挙げておきます。いずれも封鎖の詰めが原因です。

ネズミの追い出しで失敗する3つのパターン。追い出しただけで終わる、目立つ穴だけを塞ぐ、木やプラスチックで塞ぐ

追い出しただけで終わる

もっとも多いパターンです。音が消えた期間を解決と取り違え、封鎖をしないまま日が過ぎていきます。

数日から数週間で戻ってくるのが通常です。静かになったら、それは封鎖に取りかかる合図だと考えてください

目立つ穴だけを塞ぐ

大きな穴を塞いで安心してしまうケースです。1.5cmの隙間が1カ所でも残れば、そこから入られます。

配管の貫通部、エアコンのスリーブ、換気口の破れ。目につきにくい場所ほど見落とされます。

木やプラスチックで塞ぐ

ふさいだつもりが、かじられて穴を広げられます。歯が伸び続ける以上、硬さで対抗するしかありません。

金属を使うこと。これが唯一の確実な方法です。

放置するとどうなるか

音がうるさいというだけの問題ではありません。時間が経つほど、被害は別の形に広がっていきます。

配線をかじられると火災につながる

静岡市は、ねずみの被害として電気コードをかじり火災の原因になることがあると明記しています。新潟市も、家電製品のケーブルをかじることによる短絡や火災、通信障害を挙げました。

ブレーカーが落ちる、照明がちらつく、特定の家電だけ動かない。こうした変化があれば、ネズミ対策より先に電気工事店へ連絡してください

糞尿による衛生面の問題

厚生労働省は、動物から人へ感染する動物由来感染症について注意を呼びかけています。天井裏に糞尿が溜まれば、乾いた粉じんが照明の隙間から室内へ入ることもあります。

小さなお子さんやご高齢の方がいるお宅では、早めに対処してください。

断熱材が使えなくなる

ネズミは断熱材を細かくちぎって巣を作り、内部に潜り込む習性を持っています。糞尿で汚れた断熱材は洗って戻せないため、交換するほかありません。

気づくのが遅れるほど、この交換範囲が広がっていきます

自分でやるか、業者に頼むか

判断の材料を整理しておきましょう。

自分でできる範囲

室内の通り道への罠の設置、餌を断つ環境整備、手の届く範囲の封鎖。ここまでは道具をそろえれば可能です。

費用は数千円から2万円程度で収まるでしょう。

難しくなる条件

屋根裏に上がらないと塞げない、侵入口が特定できない、糞尿の堆積が多い。この3つのどれかに当てはまるなら、業者への依頼を検討してください。

とくに侵入口の特定は、経験がものを言う部分です。素人が見て分からない隙間を、プロは知っています。

費用の目安

ネズミ駆除の費用は、追い出しと封鎖で3万円〜8万円程度、清掃と消毒を含めると8万円〜18万円が目安です。建物の規模や侵入口の数によって幅が出てきます。

自分で塞ぐときの材料と手順

封鎖が本命だとお伝えしましたが、実際に何を使えばよいのかも整理しておきましょう。

使える材料

金網は目の細かいものを選び、隙間の形に合わせて折り込んで固定します。パンチングメタルは平らな面に向いており、ビスで留めると確実でしょう。細かい隙間には金属たわしを詰め、その上からコーキングで固定する方法もあります。

どれも共通しているのは、かじれない硬さがあることです

使ってはいけない材料

木材、プラスチック板、発泡ウレタン、ガムテープ。これらは一時的に塞げても、時間をかけてかじり広げられます。

とくに発泡ウレタンは施工が簡単なため使われがちですが、ネズミにとっては巣材にもなる素材です。単独では使わないでください。

塞ぐ順番

すべての隙間を一度に塞ぐと、内部に閉じ込めてしまう可能性があります。出入りに使われている経路を1カ所だけ残し、退去を確認してから最後に塞ぐという進め方が安全です。

退去の確認は、片づけた場所に新しい糞が落ちないかで判断できます。数日は様子を見てください。

業者を選ぶときの確認事項

依頼先を選ぶ際の視点をまとめました。

封鎖まで含まれるか

駆除だけで封鎖が別料金という業者もあります。ネズミ対策の本命は封鎖なので、ここが含まれない見積りは比較の対象になりません

再発保証の年数と、その対象範囲もあわせて確認してください。

侵入口の数を示せるか

調査のあとで「侵入口が何カ所あり、どこを塞ぐか」を説明できる業者を選んでください。ここが曖昧なまま作業に入ると、あとから追加が発生します。

繁殖の速さを急かす材料に使われたとき

ネズミは繁殖が速く、その事実は業者にとって説得の材料になりやすいものです。今日決めなければ手がつけられなくなる、という言い方をされたら、いったん持ち帰ると伝えてください。

国民生活センターは、不安をあおって契約を急がせ、他社と比べる機会を奪う事業者との契約を避けるよう呼びかけています。作業後に広告と異なる高額請求を受けたという相談も届いています。

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よくある質問

燻煙剤を焚けば出ていきますか。

一時的には出ていくことがあります。ただし煙が消えれば戻ってきます。逃げ道がない状態で使うと、壁の中など深い場所へ移動させてしまうため、侵入口を1カ所残して使ってください。そのうえで、退去を確認してから塞ぐ流れになります。

音がしなくなりました。もう終わりでしょうか。

まだ判断できません。移動しただけの可能性がありますし、数週間後に戻ってくることもあります。糞が新しく落ちていないかを数日かけて確認し、侵入口が残っているなら塞いでおいてください。

殺鼠剤は使わないほうがよいですか。

室内の手の届く範囲であれば選択肢になります。ただし天井裏や壁の中で使うと、死骸を回収できません。悪臭とダニの発生源になり、壁の中なら開口工事が必要になります。回収できる場所かどうかで判断してください。

賃貸住宅ですが、自分で塞いでよいですか。

建物の構造に手を入れることになるため、まず管理会社か大家さんに連絡してください。室内での罠の設置や環境整備は、ご自身の判断で進めて構いません。

まとめ

ネズミは他の害獣と前提が違いました。環境省は鳥獣保護管理法第80条により、いえねずみ類3種を法の対象外としており、捕獲も駆除も自分で行えるとされています。選択肢が多いぶん、どの方法を選ぶかの判断が要ります。

追い出しが効きにくいのは、1.5cmの隙間から戻れること、繁殖力が高いこと、巣と餌があれば居続けることの3つが理由です。出ていく理由がそもそもありません。

天井裏でグッズを使うときは、回収の見通しを立ててください。殺鼠剤は死骸を取り出せず、粘着シートは回収に上がる必要があり、燻煙剤は逃げ道がなければ奥へ追い込みます。

正しい順序は5つです。経路を特定し、餌を断ち、追い出しまたは駆除を行い、1.5cm以上の隙間を金属で塞ぎ、最後に清掃と消毒をする。封鎖が本命で、追い出しはその前段にすぎません。侵入口の特定に自信がなければ、現地調査と見積りが無料の業者に見てもらってください。状況を確かめるだけなら費用はかかりません。