アライグマ

アライグマの屋根裏被害|他の害獣より深刻になる理由と対処

アライグマの屋根裏被害|他の害獣より深刻になる理由と対処|屋根の上のアライグマと天井のシミ・断熱材破壊・手形の足跡のイメージ

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天井からドスドスと重い足音が響く。見上げると茶色いシミが広がっている。屋根裏に何かが棲みついているのは間違いないけれど、正体が分からず不安を抱えている方は少なくありません。

足音がとくに重いなら、アライグマの可能性があります。体重は4kg〜10kgとハクビシンの2倍以上で、力が強く手先も器用なため、被害が深刻化しやすい動物です。

さらに厄介なのが法律の扱いです。アライグマは特定外来生物に指定されており、外来生物法と鳥獣保護管理法という二重の規制を受けます。

この記事では、被害が大きくなる理由、屋根裏で起きること、足跡による見分け方、そして法律を踏まえた対処の進め方までをまとめました。

駆除費用ナビ 編集部 環境省・厚生労働省・国民生活センターなど公的機関の一次情報をもとに、害獣駆除の費用と法制度を調査・執筆しています。

被害が深刻になる3つの理由

同じ屋根裏の害獣でも、アライグマは別格です。体格・器用さ・執着心という3つの特徴が重なり、被害の規模が大きくなります

屋根裏に入る害獣の体格比較。アライグマは体重4キロから10キロで最も大きく力が強い、ハクビシンは3キロから4キロ、イタチは1キロ前後。アライグマは体格に加えて手先が器用なため、建材の破壊力が段違いになる

体が大きく力が強い

アライグマの体重は4kg〜10kgほどで、中型犬に近い大きさです。ハクビシンが3kg〜4kg、イタチが1kg前後であることを考えると、その差は歴然としています。

重量があるぶん、天井裏を歩くだけでも建材への負担が大きくなります。足音も「カサカサ」ではなく「ドスドス」と響き、深夜の騒音として深刻に感じられるでしょう。

力の強さは封鎖作業にも影響します。柔らかい材料でふさいでも、こじ開けられてしまう可能性があるためです。

手先が器用で「開けて」侵入する

アライグマ最大の特徴が、前足の器用さです。5本の指が長く発達しており、人の手のように物をつかんだり、引っかけたりできます。

この能力があるため、単に隙間から入り込むだけでなく、ふたを開ける、網をこじ開けるといった行動も可能です。ほかの害獣なら防げる程度の対策が、アライグマには通用しない場合があります。

屋外でも、ゴミ箱のふたを開けて中身を漁る、鍵のかかっていない物置の戸を引き開けるといった行動が報告されています。家のまわりで同じような跡があれば、アライグマを疑う材料になるでしょう。

器用さは水辺での行動にも表れます。前足で水中の獲物を探る習性があり、庭の池の魚が被害に遭うケースもあります。屋根裏の物音とあわせて、庭先の変化にも目を向けてみてください。

縄張り意識が強く戻ってくる

3つ目が執着心の強さです。アライグマは縄張り意識が強く、いったん追い出しても時間をおいて戻ってくることがあります。

加えて繁殖力も高く、1回の出産で3〜4頭を産むとされています。対処が遅れるほど個体数が増え、被害の範囲も広がってしまうでしょう。早い段階で手を打つことが結果的に負担を軽くするでしょう。

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屋根裏で起きる被害

被害は建物・安全・衛生・生活音の4方向に及びます。とくに配線をかじられると漏電やショートを起こし、火災につながりかねません

アライグマが屋根裏にいると起きる4つの被害。ため糞による天井のシミと腐食で最悪の場合は抜け落ちる、断熱材が引きはがされ配線もかじられて漏電や火災の恐れがある、糞尿の悪臭が居住空間まで届く、体重があるため深夜の足音が大きく響く

天井のシミから抜け落ちまで

アライグマには決まった場所で排泄を繰り返す「ため糞」の習性があります。屋根裏の一箇所に糞尿が積み上がり、尿が天井板に染み込んでいくのです。

最初は茶色いシミとして現れ、放置すればやがて木材が腐って強度を失います。体重があるうえ糞尿の重みも加わるため、天井が抜け落ちる事態も起こりえるでしょう。

張り替え工事が必要になれば、費用は数十万円規模に膨らむでしょう。シミの範囲が広がっている段階なら、すでに相当量が溜まっていると考えたほうが実態に近くなります。

断熱材の破壊と配線かじり

断熱材は巣材として引きはがされます。冷暖房の効率が落ちるだけでなく、糞尿が染み込めば衛生面でも交換を避けられません。

より深刻なのが電気配線です。被覆をかじられればショートや漏電の原因となり、最悪の場合は火災に発展します。目に見えない場所で進行するため、気づいたときには広範囲が傷んでいることもあるでしょう。

悪臭と深夜の騒音

糞尿が溜まれば、天井を通じて居住空間まで臭いが届きます。エアコンの吹き出し口や照明の周りなど、天井とつながる箇所から漂ってくるケースが典型的です。

あわせて、夜間の足音も生活に響きます。アライグマは夜行性で、家が静まり返る時間帯に活発になります。体重があるぶん音は大きく、眠れないという相談も少なくありません。

音が増えたと感じたら、屋根裏で繁殖が進んでいるサインかもしれません。子どもが生まれると鳴き声も加わり、騒音はさらに大きくなっていきます。

健康面で注意したいこと

野生動物である以上、衛生面の配慮は欠かせません。糞尿の清掃時は必ず防護具を着け、素手で触らないでください

糞尿を介した感染症のリスク

動物の糞尿には人にうつる病原体が含まれている可能性があります。厚生労働省も、動物から人へ感染する動物由来感染症について注意を呼びかけました。

乾いた糞が粉じんとなって舞い上がり、それを吸い込む経路もあります。清掃の際は霧吹きで湿らせてから回収し、マスクと手袋を着用してください。

マダニなど外部寄生虫

アライグマは餌を探して側溝や草むらを移動しています。その過程でマダニやノミを体につけ、そのまま屋根裏へ持ち込んでしまうのです。

これらが屋根裏で繁殖し、照明の隙間などから室内に降りてくることも考えられます。刺されると強いかゆみが出るため、肌の露出を避けることが大切です。

攻撃性が高いので近づかない

見た目の愛らしさとは裏腹に、アライグマは警戒心が強く攻撃的です。とくに子育て中の個体は気が立っており、追い詰められると人を襲うこともあります

屋根裏で遭遇しても、絶対に近づかないでください。噛まれたり引っかかれたりすれば、けがだけでなく感染症のリスクも生じます。捕まえようとするのは危険であり、法律上も認められていません。


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アライグマかどうかの見分け方

正体を確かめるうえで最も確実なのが足跡です。アライグマの足跡は5本の指が長く伸び、人の手形のように見えます

アライグマかどうかを足跡で確かめる手順。疑わしい場所に粉をまく、ひと晩そのまま置く、朝に足跡を撮影する、指の長さを見て判断する。姿を見なくても朝の10分で確かめられる
姿を見なくても朝の10分で確かめられます

足跡が最も確実な手がかり

ハクビシンも5本指ですが、指が短くまとまった形をしています。タヌキは犬に似た足跡で、爪の跡が残るのが特徴です。アライグマだけが、指の長い手形状の足跡を残すのです。

確認するには、通り道と思われる場所に小麦粉や石灰を薄くまいておく方法があります。翌日に残った跡を見れば判別できるでしょう。屋根裏の点検口付近や、外壁沿いの地面などが設置場所の候補になります。

糞と足音の比較

他の手がかりも表にまとめました。足跡だけで判断できない場合の補助として使ってください。

動物 足跡 糞・足音
アライグマ 人の手のひら型。5本指が長い 糞5cm〜18cmで太い。足音は重い
ハクビシン 5本指だが短め。前足5cm・後足6cm 糞5cm〜15cm。果実の種が混じる
タヌキ 犬に似た形。爪の跡が残る ため糞をする点は共通

糞だけではアライグマとハクビシンの区別が難しく、どちらもため糞をします。足跡や足音の重さとあわせて判断してください。

鳴き声も参考になります。アライグマは落ち着いているときに「クルルル」「キュルキュル」と繰り返すように鳴きます。ハクビシンの「キューキュー」という甲高い声とは印象が異なるでしょう。

判断がつかないときは

動物によって法律上の扱いが違うため、取り違えると対処を誤ります。特にアライグマは規制が厳しく、他の害獣と同じ感覚で動くと問題になりかねません。

現地調査を無料で行っている業者なら、糞や足跡から動物を特定してもらえます。特定だけなら費用はかからないので、迷った段階で相談するのも有効でしょう。

特定外来生物としての扱い

アライグマ対策で最初に押さえるべきが法律です。外来生物法と鳥獣保護管理法の二重規制を受けます

アライグマは外来生物法と鳥獣保護管理法の二重の規制を受ける。外来生物法では飼育や保管、生きたままの運搬、放出が原則禁止されている。鳥獣保護管理法では無許可の捕獲が禁止されている。一方で追い出しと侵入口の封鎖に許可は不要なので、住民ができるのはこの2つになる

生きたままの運搬・飼養は禁止

アライグマは、外来生物法の施行時にいち早く指定された特定外来生物のひとつです。環境省は防除の手引きを作成し、各地での対策を進めています。

外来生物法では、飼育・保管・運搬・放出などが原則として禁止されています。つまり、箱わなで捕まえて別の場所へ運んで放す行為は違法です。「山に返してあげよう」という善意でも、法律違反になってしまいます。

捕獲は自治体の防除計画に沿って

鳥獣保護管理法の側でも、無許可の捕獲は禁止されています。捕獲を行うには、外来生物法に基づく防除の確認・認定を受けるか、鳥獣保護管理法に基づく捕獲許可が必要です。

多くの自治体は防除実施計画を策定しており、住民が捕獲従事者として登録する仕組みを設けている場合もあります。制度に沿って進めれば、わな猟免許がなくても合法的に捕獲へ参加できるケースがあります。まずは自治体の担当窓口に相談してください。

追い出しと封鎖に許可は不要

一方で、煙や臭いで自主的に出ていってもらう行為と、出た後に侵入口をふさぐ行為は規制の対象外です。住民が自分の判断で進められるのは、この2つに限られます

罠に頼らず、追い出しと封鎖で対処するのが現実的な進め方でしょう。

屋根裏被害への対処手順

作業は「相談 → 追い出し → 封鎖 → 清掃」の順に進めます。

アライグマの屋根裏被害への対処4ステップ。自治体に相談して地域の防除計画を確認する、くん煙剤などで追い出す、退去を確認して侵入口を頑丈な材料で封鎖する、糞尿を清掃し消毒して傷んだ断熱材を交換する。力が強いため封鎖材料は特に頑丈なものを選ぶ

まず自治体に相談する

他の害獣と違い、アライグマは自治体への相談から始めるのが基本です。地域の防除実施計画の有無、捕獲の可否、箱わなの貸し出し条件などが確認できます。

担当窓口は環境課や農政課、生活衛生の担当など、自治体によって呼び名が異なります。「アライグマの相談窓口」や「有害鳥獣対策」として案内されている場合も多いので、公式サイトで確認してみてください。

相談の際は、足音のする時間帯や糞の写真、天井のシミの状況を伝えると話が早く進みます。自治体側も被害の程度を把握しやすくなり、適切な案内を受けられるでしょう。

追い出しと封鎖

追い出しにはくん煙剤を使います。侵入口から遠い位置で焚き、出口に向かって煙を押し出す形にしてください。侵入口のそばで焚くと、建物の奥へ逃げ込んでしまいます。

退去を数日かけて確認したうえで、侵入口をふさぎます。ここで重要なのが材料選びです。アライグマは力が強く手先も器用なため、金網でも目の細かい丈夫なものを選び、ビスでしっかり固定する必要があります。

柔らかい詰め物や薄い板では、こじ開けられて意味をなさないかもしれません。

清掃・消毒・断熱材の交換

封鎖が済んだら、屋根裏に残った糞尿を片づけます。乾いた糞は霧吹きで湿らせてから回収し、掃除機は使いません。排気で菌をまき散らすためです。

回収後は消毒液で拭き上げ、糞尿が染み込んだ断熱材は新しいものへ交換してください。この工程を省くと臭いとダニが残り、別の個体を呼び寄せる原因にもなります。清掃の範囲が広い場合は、無理をせず業者に任せる判断も必要でしょう。屋根裏は狭くて暗く、体勢を保ちにくい場所での作業になります。防護具を着けたうえで、手の届く範囲にとどめてください。

業者に頼む判断基準と費用

次のような状況では、無理に自分で進めるより専門業者に任せたほうが確実です。

自力で難しいケース

  • 子どもの鳴き声が聞こえる、繁殖している
  • 侵入口が見つからない、または屋根など高所にある
  • 天井にシミが出ている、断熱材が広範囲に傷んでいる
  • くん煙剤を試したが物音が続いている
  • 自治体に相談したが、業者への依頼を案内された

屋根裏での作業には踏み抜きの危険があり、高所作業では転落のリスクも無視できません。加えてアライグマは攻撃性が高く、遭遇した際の危険も他の害獣より大きいと言えます。

費用と無料調査の使い方

アライグマ駆除の費用は被害の程度によって幅があります。軽度なら数万円、清掃や断熱材の交換、修繕まで含めると数十万円規模になるでしょう。天井の張り替えが加わると、さらに金額は上がります。

現地調査と見積りを無料で行う業者を選べば、状況の確認と金額の提示まで0円で済みます。動物の特定と法的な進め方の相談も含めて、まず調査だけ受けてみるのも一つの方法です。

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アライグマの屋根裏被害に関するよくある質問

屋根裏で遭遇したらどうすればいいですか?

すぐにその場を離れてください。追い詰めると攻撃してくることがあります。捕まえようとする行為は危険なうえ、無許可では法律違反にもあたります。距離を取ったうえで、自治体か業者に連絡しましょう。点検口はいったん閉め、家族やペットも近づけないようにしてください。

捕まえて山に逃がしてもいいですか?

できません。アライグマは特定外来生物であり、生きたまま運搬したり放したりする行為は外来生物法で原則禁止されています。善意であっても違反になるため、捕獲は自治体の防除計画に沿って進めてください。

追い出したのにまた戻ってきました

縄張り意識が強く、封鎖が不十分だと戻ってきます。侵入口をすべてふさげているか、こじ開けられていないかを確認してください。力が強いため、他の害獣なら十分な材料でも破られる場合があります。封鎖後しばらくは、外側から金網の浮きやビスのゆるみを点検しておくと安心です。

ハクビシンとの見分けがつきません

足跡が最も確実です。アライグマは5本の指が長く伸びた手形状、ハクビシンは指が短くまとまった形になります。通り道に小麦粉や石灰をまいて、翌日の跡を確認してみてください。足音の重さや鳴き声も、あわせて判断材料になります。

火災保険は使えますか?

契約内容によります。アライグマによる建物被害が補償対象に該当するかは保険会社の判断となるため、加入している保険の約款を確認するか、代理店に問い合わせてみてください。相談の際は、被害箇所の写真と業者の見積書があると話が進めやすくなります。

まとめ:法律を踏まえて、追い出しと封鎖から

アライグマの屋根裏被害が深刻になるのは、体重4kg〜10kgという体格、前足の器用さ、そして縄張りへの執着という3つの特徴が重なるためです。天井の腐食から抜け落ち、配線かじりによる火災リスクまで、被害の幅も広くなります。

見分けるなら足跡が確実です。5本の指が長く伸びた手形状の跡が残っていれば、アライグマの可能性が高いでしょう。糞だけではハクビシンと区別がつきません。

対処では法律の理解が欠かせません。特定外来生物にあたるため、捕獲や生きたままの運搬は原則禁止です。まず自治体に相談し、そのうえで追い出しと封鎖を進めてください。封鎖材料は力に負けない頑丈なものを選びましょう。判断に迷う場合や高所の作業が必要な場合は、調査と見積りが無料の業者に相談するのが確実です。