アライグマ

アライグマは凶暴で危険|襲われないための距離の取り方

アライグマは凶暴で危険|襲われないための距離の取り方|歯をむいて威嚇するアライグマと、近づかないよう手で制止するイメージ

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庭先でアライグマを見かけた。丸い耳と縞模様のしっぽが愛らしく、つい近づきたくなる。そんな気持ちになった方もいるかもしれません。

ただ、その一歩が危険を招きます。アライグマは警戒心が強く、追い詰められると人を襲うことがある野生動物です。鋭い爪と歯を持ち、体重も4kg〜10kgあります。

もうひとつ知っておきたいのが、保護もできないという点です。アライグマは特定外来生物に指定されており、捕まえて飼うことも、生きたまま運ぶことも法律で禁じられています。

この記事では、とくに危険になる場面、攻撃の前兆となるサイン、遭遇したときの正しい対処、そして万一噛まれた場合の対応までをまとめました。

駆除費用ナビ 編集部 環境省・厚生労働省・国民生活センターなど公的機関の一次情報をもとに、害獣駆除の費用と法制度を調査・執筆しています。

アライグマは近づいてはいけない動物

まず前提を共有しておきます。アライグマは人に慣れたペットではなく、警戒心の強い野生動物です。見た目の印象と実際の性格には大きな開きがあります。

見た目と性格の落差

アライグマの外見は、多くの人に親しみを感じさせます。ぬいぐるみのような丸い体つきと、好奇心の強そうな表情がその理由でしょう。

しかし実際には気性が荒く、人を恐れないぶん距離を詰められると強く反応します。ペットのアライグマが飼いきれなくなって遺棄された歴史も、この気性の荒さが背景にあります

鋭い爪と歯を持つ

体重4kg〜10kgは中型犬に近い大きさです。木登りのために発達した爪は鋭く、噛む力も相応にあります。

手先が器用で物をつかめるため、押さえ込もうとしても振りほどかれます。素手で扱えるような相手ではないと考えてください。

保護も飼育もできない

けがをしている個体を見つけて「助けたい」と思う方もいるでしょう。ただし、アライグマは特定外来生物に指定されており、外来生物法によって飼育・保管・運搬などが原則として禁止されています。

善意であっても、連れ帰る行為は違反にあたります。見つけた場合は自治体の担当窓口に連絡してください。

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とくに危険になる4つの場面

アライグマが常に襲ってくるわけではありません。危険度が跳ね上がるのは、追い詰められたと感じている場面です

アライグマがとくに危険になる4つの場面。子育て中の母親個体は子を守るため気が立っている、屋根裏など逃げ場のない場所での遭遇は追い詰められた状態になる、エサに近づくと守ろうとして威嚇する、弱っている個体は警戒心が高まっている。いずれも近づかないことが鉄則

子育て中の母親個体

最も注意が必要なのが、子どもを連れている、あるいは巣に子どもがいる状態の母親です。子を守ろうとする本能から、普段より攻撃性が高まります。

屋根裏から高い鳴き声が聞こえる時期は、この状態にあたる可能性があります。この時期に点検口を開けるのは、とくに避けるべき行動です

逃げ場のない場所での遭遇

屋根裏、物置、車庫といった閉じた空間での遭遇は危険度が高くなります。逃げ道がなければ、アライグマには反撃以外の選択肢が残らないためです。

屋外で距離がある状況なら、多くの場合は自分から離れていきます。ところが室内で鉢合わせすると、話がまったく変わってしまうのです。

エサに近づいたとき

食べ物を確保している最中も警戒が強まります。ゴミ袋を漁っている、ペットフードを食べているといった場面に近づくと、それを守ろうとして威嚇してきます。

屋外にエサになるものを置かないことは、そもそも遭遇の機会を減らすうえでも重要です。

アライグマは学習能力が高く、一度食べ物を得られた場所を覚えます。夜間に何度も訪れるようになれば、鉢合わせする確率もそれだけ上がっていきます。

弱っている・けがをしている個体

動けずにうずくまっている個体を見て、安全だと思うかもしれません。実際には逆で、身を守れない状況では警戒心がさらに高まります。

「助けよう」と手を伸ばした瞬間に噛まれる事故が起こりえます。近づかず、自治体へ連絡してください。

攻撃のサインと前兆

アライグマは、攻撃に移る前にいくつかのサインを出します。これらが見えたら、すでに危険な状態です

アライグマの攻撃のサイン。低いうなり声を出す、背中の毛を逆立てて体を大きく見せる、歯をむき出しにする、後ずさりせずこちらを見据える。これらが見られたら攻撃寸前の状態なので、ゆっくり距離を取って離れる

4つのサイン

まず音です。低いうなり声を出しているなら、それは威嚇の合図になります。「シャー」といった鋭い音を出すこともあります。

次に姿勢です。背中の毛を逆立てて体を大きく見せているなら、警戒のレベルが上がっています。歯をむき出しにする段階まで進めば、攻撃寸前と考えてください。

そして動きです。こちらが近づいても後ずさりしないなら、逃げる気がないというサインになります

サインが出たらどうするか

刺激せず、ゆっくり後退することが唯一の正解です。大声を出したり、物を投げたりしてはいけません。

注意したいのが逃げ方です。背を向けて走ると、追いかけてくることがあります。目を離さないまま、静かに距離を広げてください。


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遭遇したときの対処

実際に出会ってしまったときの流れを整理しました。原則は「刺激しない」「距離を取る」の2つです。

アライグマに遭遇したときの対処の流れ。まず動きを止めて刺激しない、次に目を離さずゆっくり後退する、続いて家族やペットを室内へ入れる、そして逃げ道を空けたまま様子を見る、最後に自治体か専門業者へ連絡する。捕まえようとせず距離を取ることが基本

やってはいけない5つの行動

まず避けるべき行動を確認しておきましょう。

アライグマに遭遇したときやってはいけない5つの行動。近づいて写真を撮る、素手や道具で捕まえようとする、エサを与える、逃げ道をふさいで追い詰める、背を向けて走って逃げる。いずれも攻撃を誘発する行動になる

とくに多いのが、写真を撮ろうとして近づいてしまうケースです。珍しい動物を見かけた高揚感から距離感を誤りやすく、その一歩が事故につながります。

エサを与える行為も避けてください。人を恐れなくなり、周辺に居着く原因になります。結果として、地域全体の被害を広げることになりかねません。

正しい距離の取り方

遭遇したら、まず動きを止めます。急な動作は相手を驚かせるためです。そのうえで、目を離さずゆっくり後退してください。

次に、子どもとペットを室内へ移します。犬や猫が追いかければ、けんかになって双方がけがをする恐れがあります。

そして重要なのが、逃げ道を空けておくことです。出口をふさがなければ、多くの場合はアライグマのほうから離れていきます

屋根裏で見つけた場合

点検口を開けたときに遭遇したら、そのまま静かに閉めてください。追い出そうとして棒でつついたりすると、驚いて向かってくる可能性があります。

その日は屋根裏に立ち入らず、自治体か専門業者に連絡しましょう。夜間はアライグマが外へ出ているため、日中より安全に作業できる時間帯を業者が判断してくれます。

家族にも状況を伝え、しばらく点検口に近づかないよう共有しておいてください。好奇心で開けてしまう事故を防げます。

噛まれた・引っかかれたときの対応

万一けがをした場合の手順です。傷が浅く見えても、自己判断で様子を見ないでください

アライグマに噛まれたり引っかかれたときの手順。まずその場を離れて安全を確保する、次に流水と石けんで傷口をよく洗う、続いて速やかに医療機関を受診しアライグマに噛まれたと必ず伝える、ペットが噛まれた場合は動物病院へ連れて行く。自己判断で様子を見ないこと

まず安全を確保して洗う

けがをしたら、まずその場を離れて追加の被害を防ぎます。落ち着いたら、流水と石けんで傷口をよく洗ってください。

野生動物にはさまざまな病原体が付着している可能性があります。厚生労働省も、動物から人へ感染する動物由来感染症について注意を呼びかけました。洗浄は最初にできる対処のひとつです。

速やかに医療機関を受診する

洗浄したら、できるだけ早く医療機関を受診してください。その際、「アライグマに噛まれた(引っかかれた)」と必ず伝えましょう

どのような処置が必要かは、傷の状態や状況によって変わります。医師の判断を仰ぐことが大切であり、市販薬で済ませようとするのは避けてください。

ペットが噛まれた場合

犬や猫がアライグマとけんかをしてけがをした場合も、動物病院へ連れて行ってください。毛に隠れて傷が見えにくいこともあります。

あわせて、ペットにマダニやノミが付着していないかも確認しましょう。アライグマは外部寄生虫を持ち込むことがあるためです。

家族とペットを守る予防策

そもそも遭遇しない環境をつくることが、最も確実な安全対策になります。

エサになるものを置かない

生ごみは屋外に出したままにせず、ふた付きの容器で保管してください。ペットフードを屋外に置きっぱなしにするのも避けましょう。

庭に果樹があるなら、実は早めに収穫し、落果もこまめに拾ってください。エサ場として認識されると、繰り返し訪れるようになります

子どもに「近づかない」を伝える

見た目が愛らしいだけに、子どもは近づきたがります。「かわいくても野生の動物だから、絶対に触らない」と具体的に伝えておきましょう。

見かけたら大人に知らせる、というルールを決めておくのも有効です。追いかけない、エサをあげないという点も、あわせて共有しておいてください。

通学路や公園で見かける可能性もあります。学校や近隣とも情報を共有しておくと、地域全体で気をつけられるようになるでしょう。

侵入させない環境づくり

屋根に届く庭木の枝は剪定し、雨どいや外壁の破損は早めに修繕します。物置や倉庫の扉は、確実に閉まる状態にしておきましょう。

アライグマは手先が器用で、簡単な留め具なら開けてしまいます。掛け金だけでなく、しっかりロックできる仕組みにしておくと安心です。

自治体の情報を確認する

アライグマは特定外来生物であり、多くの自治体が防除実施計画を策定しています。地域での出没情報や相談窓口が公開されている場合もあるでしょう。

近所で目撃が続いているなら、自治体に相談してみてください。地域全体で対策が進むきっかけになります。

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アライグマの危険性に関するよくある質問

本当に人を襲うことがあるのですか?

追い詰められた状況では起こりえます。普段は人を避けますが、子育て中や閉じた空間での遭遇、けがをしている状態などでは攻撃的になるでしょう。距離を取っていれば、多くの場合は自分から離れていきます。

子どもが触ってしまいました

触れただけで傷がない場合も、流水と石けんでよく手を洗ってください。噛まれたり引っかかれたりした場合は、速やかに医療機関を受診し、アライグマとの接触があったことを伝えましょう。

けがをした個体を保護したいのですが

できません。アライグマは特定外来生物であり、飼育や運搬が原則禁止されています。噛まれる危険もあるため、近づかずに自治体の担当窓口へ連絡してください。

犬を散歩中に遭遇したらどうすればいいですか?

リードを短く持ち、犬を自分の後ろに回してその場を離れてください。犬が興奮して吠えたり向かっていったりすると、けんかに発展します。可能なら来た道を戻り、距離を取りましょう。

屋根裏にいるようですが、追い出せますか?

追い出しと侵入口の封鎖に許可は不要です。ただし遭遇の危険があり、力も強いため封鎖の難易度も高くなります。まず自治体に相談し、状況に応じて専門業者への依頼を検討してください。

まとめ:距離を取ることがすべて

アライグマは見た目に反して警戒心が強く、追い詰められると人を襲うことがあります。とくに子育て中、閉じた空間での遭遇、エサに近づいたとき、弱っている個体を前にしたときは危険度が上がります。

うなり声、逆立った毛、むき出しの歯、後ずさりしない姿勢。これらが見えたら攻撃寸前です。刺激せず、背を向けずに、ゆっくり後退してください。

万一噛まれたら、流水と石けんで洗ったうえで速やかに医療機関を受診し、アライグマとの接触を必ず伝えましょう。予防としては、エサになるものを置かず、子どもに「近づかない」を徹底することです。屋根裏に棲みついている場合は、自分で追い出そうとせず、自治体か調査無料の業者に相談するのが安全な進め方になります。