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屋根裏でドスンドスンと重い音がする。天井にシミが広がってきた。岐阜市でアライグマの被害に気づいたとき、選べる道は二つあります。
ひとつは業者に依頼すること。もうひとつが、自分で捕獲することです。岐阜市は、アライグマやハクビシンなどの小型鳥獣について「個人で捕獲を行うことができます」と明記しており、はこわなの無料貸出まで行っています。
ただし、そこには順序がありました。許可がない場合には、市で鳥獣を回収処分することはできないと明記されています。つまり、捕まえてから申請しても間に合いません。
この記事では、岐阜市が公開している案内をもとに、申請から返却までの6ステップ、必要な書類、そして自分でやるか業者に頼むかの判断材料を整理しました。
岐阜市は「個人で捕獲できる」と明記している
まず制度の全体像から確認します。他の自治体と比べても、住民に開かれた仕組みです。
対象はアライグマ・ハクビシン・ヌートリア等
市の案内では、野生の小型鳥獣による農作物被害等に困っている場合、個人で捕獲を行うことができるとされています。アライグマだけでなく、ハクビシンやヌートリアも同じ枠組みです。
屋根裏の足音が重い場合、相手がハクビシンということもあります。正体が完全に絞れていなくても、まず相談できるのは助かる点でしょう。
はこわなを農林課で無料貸出
はこわなが必要な方には、市役所本庁の農林課で無料貸出を行っています。原則として1申請につき1つですが、在庫数には限りがあるため、希望に添えない場合もあるとのことです。
貸出の際は自動車での来庁がすすめられていました。土汚れが気になる方は、ビニールシートを用意しておくとよいでしょう。
捕獲した個体は市が無料で回収
許可期間中に鳥獣を捕獲した場合、市の委託業者が現場に来て無料で回収処分します。捕まえたあとの扱いに悩まなくてよいのは、大きな利点です。
ただし、はこわなは処分時に回収されません。借りたわなは自分で返却する必要があります。

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捕獲までの6ステップ
市は流れを6つの段階で公開しました。全体を先に把握しておくと、どこで時間がかかるかが見えてきます。
1〜3. 申請から許可証の到着まで
まず捕獲許可を申請してください。はこわなをご自身で持っている方は、郵送やファクス、メールでも提出できます。市役所へ足を運ばずに手続きを進められる点は、平日に時間を取りにくい方には現実的でしょう。
わなを借りる場合は来庁が必要です。許可証は提出日から発送期間を含めて1週間程度で郵送されます。つまり、思い立ってすぐ仕掛けられるわけではありません。
4. 設置と毎日の見回り
許可証が届いたら、案内を確認したうえでわなを設置します。ここで重要なのが、1日1回以上、設置箇所の見回りを必ず行うという条件です。
捕獲されたまま長時間放置すれば、動物に不必要な苦痛を与えることになります。旅行や出張の予定がある期間は、そもそも設置を見送るべきでしょう。
5〜6. 回収の連絡と、わなの返却
捕獲したら、案内に記載された市委託業者へ連絡します。現場に来て回収処分してくれるので、自分で運ぶ必要はありません。
そのあと、借りたはこわなを農林課へ返却します。処分時には回収されないため、最後にもう一度、市役所へ行くことになります。
許可がないと市は回収してくれない
この記事でもっとも注意していただきたい点です。順序を誤ると、行き場のない状況に陥ります。
市が明記している一文
岐阜市は、事前の許可なくむやみに野生の鳥獣を捕獲することは法律で禁じられているとしたうえで、許可がない場合には市で鳥獣を回収処分することはできないと明記しています。
この一文の意味は重いところです。無許可で捕まえてしまえば、市に助けを求めることができません。特定外来生物であるアライグマは生きたまま運ぶことも禁止されているため、自分で運搬して処分するという選択肢も取れません。
捕まえてから申請しても遅い
許可証が届くまで1週間程度かかります。目の前に動物がいる状態から申請を始めても、その間ずっと待つことになります。
被害に気づいた段階で、まず申請だけでも進めておくのが現実的です。わなを持っていればメールでも提出できるので、着手のハードルは高くありません。
無許可の捕獲は法律違反でもある
回収してもらえないというだけでなく、そもそも違法行為でした。環境省は、鳥獣保護管理法に違反した場合に1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されると示しています。
アライグマの場合、外来生物法の規制も加わってきます。よかれと思った行動が処罰の対象になりかねない点は、押さえておいてください。
申請に必要な書類
様式は市のサイトからダウンロードできます。何をそろえるかを先に知っておくと、準備が早く進みます。
共通で必要な3点
捕獲許可申請書、捕獲区域図、被害状況写真の3点です。申請書はエクセル版とワード版が用意されており、記入例も公開されています。
捕獲区域図は、住宅地図や「県域統合型GISぎふ」を利用できると案内されています。厳密な図面を自作する必要はありません。
被害状況写真は片づける前に撮る
見落とされがちなのがこれです。糞や食害の跡を掃除してしまうと、被害を示す材料がなくなります。
屋根裏の糞、天井のシミ、荒らされた断熱材。見つけた時点で撮影しておいてください。素手で触らず、手袋とマスクを着けて作業します。
場合によって必要な2点
被害者と申請者が異なる場合は「被害防止捕獲依頼書」、複数人で捕獲を行う場合は「申請者名簿」が必要です。業者に依頼する場合は、業者側がこれらを扱います。
個人が自宅の被害で申請するなら、共通の3点だけで足りることがほとんどでしょう。
岐阜市が用意している他の支援
捕獲以外にも、市はいくつかの制度を設けています。鳥獣被害対策支援事業や、狩猟免許取得支援事業がその例です。長期的に対策と向き合う予定があるなら、確認しておく価値があるでしょう。
ただし、これらは主に農林業被害を想定した制度です。住宅の屋根裏被害に対して駆除費そのものを補助する仕組みは、案内の中に見当たりません。作業費は自己負担になると考えておいてください。
自分でやるか、業者に頼むか
制度が使えるからといって、必ずしも自分でやるべきとは限りません。負担を並べて比べてみてください。
判断の分かれ目は見回りと封鎖
自分でやる場合、1日1回以上の見回りが条件になります。平日の朝や夜に必ず確認できるかどうかが、最初の関門です。
もうひとつが範囲の問題です。捕獲の制度は、侵入口の封鎖も糞尿の清掃もカバーしていません。1匹捕まえても、穴が開いたままなら別の個体が入ってきます。
市は業者を紹介しない
申請及び捕獲を民間の駆除業者に依頼したい場合、タウンページやインターネットで業者を調べるよう案内されています。市で特定の業者を紹介することは行っていません。
裏を返せば、業者選びは自分の目で行う必要があるということです。この記事の後半で、確認すべき点をお伝えしましょう。
出産期は時期の判断が要る
アライグマの出産期は4月から6月とされ、1回に3〜6頭を出産します。この時期に親だけを追い出して封鎖すれば、動けない子が取り残されてしまうでしょう。
細い鳴き声が複数聞こえる場合は、捕獲や封鎖の前に専門家へ相談してください。
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岐阜のアライグマ駆除費用の相場
業者に依頼する場合の金額感です。作業範囲によって幅が出ます。
作業範囲ごとの目安
追い出しと侵入口の封鎖だけで済むなら5万円〜12万円程度、清掃と消毒、複数箇所の封鎖まで含めると12万円〜30万円が目安です。断熱材の交換や天井の補修まで必要なら、30万円〜60万円を見ておくことになります。
アライグマは体が大きく糞の量も多いため、ネズミやイタチと比べて清掃の比重が大きくなりがちです。
岐阜という土地の事情
岐阜市は市街地のすぐ背後に金華山があり、長良川も市内を流れています。緑と水辺が近く、動物が移動しやすい環境です。市街地だから無縁とは言い切れません。
また、古い木造家屋や町家が残る地域も見られました。屋根と外壁の取り合いや古い換気口など、侵入口になりやすい箇所が複数あるお宅では、封鎖の作業量が増えます。これが費用にも響いてくるでしょう。
費用が上がるケース
高所で足場が必要になる場合、屋根裏の面積が広い場合、繁殖して個体数が増えている場合は金額が上がります。臭いが建材にしみ込んで脱臭が必要になるケースも同様です。
見積りを取る際は「駆除作業一式」ではなく、作業ごとの単価が記載されているかを確認してください。
業者を選ぶときの確認事項
市が紹介しない以上、判断はこちらで行うことになります。次の点を確かめてください。
封鎖と清掃まで一括で頼めるか
捕獲までなら市の制度で対応できるため、業者に頼む価値がもっとも大きいのは封鎖と清掃・消毒の部分です。この範囲を一括で請け負えるかを確認してください。
再発保証の年数と適用条件も業者によって差があります。封鎖まで含めた保証なのかを、契約前に確かめておきましょう。
貸出と依頼を同じ土俵で比べる
岐阜市ははこわなを無料で貸し出すため、自分で行う場合の実費はほぼ手間だけになります。業者の見積を見るときは、その差額で何が得られるのかという視点で読んでください。
封鎖や清掃まで含むのかどうかが、差額の中身を分ける部分になります。
無料の貸出制度がある土地で高額契約を迫られたら
岐阜市でははこわなの無料貸出があり、許可を得れば個人で捕獲を進められます。この選択肢に触れないまま高額な契約を即決で求められたときは、市の制度を確かめてから判断してください。
国民生活センターは、被害が増えるとあおって契約させ、比較の機会を奪う事業者に注意を促しています。作業後に広告と異なる高額請求を受けた事例も報告されました。
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よくある質問
はこわなの貸出に費用はかかりますか。
市の案内では無料貸出とされています。捕獲した個体の回収処分も無料です。ただし餌の用意や、市役所への往復にかかる費用は自己負担になります。原則1申請につき1つで、在庫に限りがある点にもご注意ください。
捕まえてしまってから申請できますか。
できません。事前の許可が必要で、許可がない場合には市で回収処分することはできないと明記されています。無許可の捕獲そのものが法律違反にあたるため、必ず先に申請してください。
毎日見回れないのですが、どうすればよいですか。
1日1回以上の見回りが条件とされているため、それが難しい場合は自分での捕獲を見送るのが妥当です。業者に依頼すれば、この負担は生じません。まず現地調査を受けて、状況を確かめてもらってください。
捕獲すれば屋根裏の被害は終わりますか。
終わりません。侵入口が残っていれば別の個体が入ってきますし、溜まった糞尿の清掃・消毒も必要です。捕獲の制度はこの部分をカバーしていないため、封鎖と清掃まで含めて計画を立ててください。
まとめ
岐阜市は、アライグマやハクビシンなどの小型鳥獣について「個人で捕獲を行うことができます」と明記しています。はこわなは農林課で無料貸出があり、捕獲した個体は市の委託業者が無料で回収処分します。
流れは6つのステップです。申請、はこわなの貸出、許可証の到着、設置と見回り、市委託業者への連絡、そしてわなの返却。許可証が届くまで1週間程度かかり、設置後は1日1回以上の見回りが必要になります。
もっとも注意すべきは順序です。市は、許可がない場合には市で鳥獣を回収処分することはできないと明記しています。捕まえてから申請しても間に合わず、無許可の捕獲は法律違反にもあたります。
そして、捕獲の制度は侵入口の封鎖も糞尿の清掃もカバーしていません。1匹捕まえても、穴が開いたままなら被害は続きます。毎日の見回りが難しい方や、封鎖まで含めて片づけたい方は、現地調査と見積りが無料の業者に一度見てもらってください。状況を確かめるだけなら費用はかかりません。