アライグマ

アライグマの捕獲に許可は必要?申請の流れと罰則を解説

アライグマの捕獲に許可は必要?申請の流れと罰則を解説|屋根裏を調査する作業員とアライグマ、許可申請・申請の流れ・罰則ありのアイコン

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庭を荒らされている、屋根裏に住み着かれた。アライグマの被害に遭うと、罠を仕掛けて捕まえたいと考える方は少なくありません。

ただ、その前に確認しておきたい点があるでしょう。アライグマの捕獲には自治体の許可が必要で、無断でおこなうと罰則の対象になってしまいます。

しかもアライグマには2つの法律が関わり、片方は懲役3年という重い罰則が定められています。知らずに行動すると、被害者だったはずが違反者になりかねません。

この記事では、捕獲許可の申請手順、2つの法律の罰則の違い、そして許可なしでできる対策までをまとめました。

駆除費用ナビ 編集部 環境省・厚生労働省・国民生活センターなど公的機関の一次情報をもとに、害獣駆除の費用と法制度を調査・執筆しています。

アライグマの捕獲には自治体の許可が必要

結論から述べると、許可なくアライグマを捕まえる行為は法律違反です。自宅の敷地内であっても、被害を受けている本人であっても、この原則は変わりません。

無許可で捕獲すると2つの法律に違反する

アライグマは鳥獣保護管理法と外来生物法、2つの法律が同時に関わる動物です。ほかの害獣と大きく異なる点がここにあります。

鳥獣保護管理法は野生の鳥類・哺乳類の捕獲を規制する法律で、アライグマもその対象です。一方の外来生物法は、特定外来生物に指定された動物の飼育・保管・運搬などを規制します。

どちらか一方を守ればよいわけではなく、両方に注意する必要があります。

2つの法律で罰則の重さが違う

意外に知られていないのが、罰則の重さの差です。

アライグマに関する2つの法律の罰則の比較。鳥獣保護管理法違反は1年以下の懲役または100万円以下の罰金。外来生物法違反は3年以下の懲役または300万円以下の罰金。運搬に関わる外来生物法のほうが重い
運搬に関わる外来生物法のほうが重い罰則です

無許可で捕獲・殺傷した場合は、鳥獣保護管理法違反となり1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。これに対し、生きたまま運搬したり飼育したりすると外来生物法違反となり、3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科される可能性があります。

つまり「捕まえて山に逃がしてあげよう」という行為のほうが、罰則としては重く扱われます。

自宅の敷地内でも例外にならない

「自分の土地に入ってきたのだから対処して当然だ」と感じるかもしれません。しかし法律上、被害の有無にかかわらず捕獲には許可が求められます。

近隣住民からの通報や、捕獲後に処分方法を相談した際に無許可であることが判明するケースもあるようです。手間がかかっても、先に許可を取っておくのが確実でしょう。

そもそも許可が下りるのか

申請すれば必ず許可されるわけではありません。捕獲許可は、被害が現に生じているか、そのおそれがあり、ほかの方法では防げない場合に認められる仕組みです。

アライグマの場合、農作物被害や住宅侵入は認められやすい理由にあたります。ただし「見かけたから捕まえたい」という理由では、許可されない可能性が高いでしょう。

被害の状況がわかる写真や記録を残しておくと、申請がスムーズに進みます。糞の写真、荒らされた場所、足跡などを撮影しておくとよいでしょう。

捕獲許可を申請する5つのステップ

実際に申請する場合の流れを確認しましょう。自治体によって細部は異なりますが、大枠は共通しています。

アライグマの捕獲許可を申請する5つのステップ。自治体の担当窓口へ相談する、有害鳥獣捕獲許可を申請する、箱わなを借りるか用意する、許可証の交付を受けて設置する、捕獲後は自治体へ連絡する

① 自治体の担当窓口へ相談する

まずは市区町村の環境課、環境政策課、または農政課へ連絡します。アライグマは自治体が防除実施計画を立てて対策している動物なので、担当部署が置かれていることがほとんどです。

必要書類や様式は自治体ごとに異なるため、いきなり書類を作るより先に相談したほうが確実です。

② 有害鳥獣捕獲許可を申請する

提出する書類は自治体によって差がありますが、おおむね次のものが求められます。

書類 内容
許可申請書 自治体の指定様式。捕獲の目的・方法・期間を記入
捕獲場所の地図 住宅地図のコピーなど、場所がわかるもの
被害状況の資料 被害の程度がわかる写真や記録
わなの写真 使用する箱わなの写真、またはパンフレット

手数料は不要としている自治体が多く、書類の提出自体に費用はかからないのが一般的です。窓口へ直接持参するほか、郵送で受け付けている自治体もあります。

③ 箱わなを借りる、または用意する

多くの自治体では、捕獲用の箱わなを無料または低額で貸し出しています。申請と同時に借りられる場合もあり、その場で手続きが完結することもあるでしょう。

ただし数に限りがあるため、時期によっては順番待ちになることがあります。被害が集中する春から秋にかけては、貸し出しが埋まりやすい傾向にあるようです。早めに問い合わせておくとよいでしょう。

④ 許可証の交付を受けて設置する

許可証が交付されたら、指定された条件のもとで罠を設置しましょう。設置場所は日陰で雨が当たらない、アライグマの通り道が望ましいとされています。

餌の準備と毎日の見回りは、すべて申請者がおこないます。かかった個体を長時間放置すると動物福祉の観点で問題になるため、朝夕の確認が必要です。

⑤ 捕獲後は自治体へ連絡する

捕獲できたら、すぐに自治体の担当窓口へ連絡してください。ここで重要なのが、自分で運んで移動させてはいけないという点です。

職員や委託業者が回収に来る自治体もあれば、指定の方法で処分するよう指示される場合もあります。いずれにせよ、勝手な判断で動かさないことが原則です。

また、許可期間が終わったら実績報告書と許可証を返納する決まりになっています。

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罠を設置する場所と餌の選び方

許可を得て罠を設置する場合、場所と餌の選び方で結果が変わります。実務的なポイントを整理しておきましょう。

項目 ポイント
設置場所 侵入口の近く、縁側の下、軒下など通り道になる場所
日当たり 日陰を選ぶ。直射日光は動物への負担が大きい
雨よけ 屋根のある場所、または雨が当たらない位置
甘い菓子類、ピーナッツバターなど匂いの強いもの
見回り 朝夕の1日2回。長時間の放置は避ける

アライグマは警戒心が強いため、設置してすぐにかかるとは限りません。数日から数週間かかることを見込んでおきましょう。

なお、餌は定期的に交換が必要です。腐敗すると効果が落ちるうえ、別の動物や害虫を寄せる原因になります。

狩猟免許は必要か|防除計画による違い

捕獲というと狩猟免許を思い浮かべる方も多いでしょう。この点は自治体によって扱いが分かれます。

原則はわな猟免許が必要

鳥獣保護管理法にもとづく捕獲では、原則としてわな猟免許が求められます。都道府県が実施する試験に合格しなければ取得できません。

防除実施計画があれば免許なしで従事できる場合がある

ただし例外があります。アライグマは外来生物法にもとづく防除実施計画の対象であり、この計画に位置づけられた防除であれば、狩猟免許がなくても従事者として捕獲に関われる自治体があります

自治体が講習会を開き、受講した住民に捕獲を任せる仕組みを設けている地域もあるようです。お住まいの自治体がどの方式かは、事前相談の際に確認してください。

免許取得には時間と費用がかかる

免許が必要な地域の場合、試験は年に数回しか実施されないことが多く、被害が出てから取得していては間に合いません。

受験料や講習費用もかかるため、1回きりの被害対応のために取得するのは現実的とはいえないでしょう。

自治体によって対応が大きく異なる

アライグマ対策は自治体の防除実施計画にもとづくため、地域差が大きい分野です。次のような違いがあります。

項目 自治体による違い
狩猟免許の要否 原則必要な地域と、講習受講で免除される地域がある
箱わなの貸し出し 無料・低額・貸し出しなしと対応が分かれる
捕獲後の処分 職員が回収する地域と、依頼者が対応する地域がある
費用補助 駆除費用の一部を補助する制度がある地域も

被害が多い地域ほど支援が手厚い傾向にあります。まずは自分の自治体がどの方式かを確認するところから始めましょう。

たとえば和歌山市は国の確認を受けた防除実施計画を持ち、年間400頭近くを捕獲しています。それでも市は「根絶は困難な状況である」と計画書に記しました。支援の手厚さと、被害が収まるかどうかは別の話だという例です。

許可を取っても難しい3つの現実

仮に許可を取得できたとしても、自力での解決には壁があります。実際につまずきやすい点を見ていきましょう。

許可を取っても自力での捕獲が難しい3つの現実。捕獲したアライグマに近づけない、生きたまま運ぶと外来生物法違反になる、1頭捕まえても被害は止まらない

① 捕獲したアライグマに近づけない

罠にかかったアライグマは激しく威嚇します。見た目の愛らしさとは裏腹に気性が荒く、爪と歯も鋭いため、近づくと怪我をしかねません。

さらにアライグマ回虫や狂犬病など、人に感染する病原体を保有している可能性もあります。捕獲できても、そこから先に進めないという状況が起こり得ます。

② 生きたまま運ぶと違法になる

捕獲後の処分に困ったとき、多くの方が「どこか遠くへ逃がそう」と考えるようです。しかしこれは外来生物法違反にあたり、3年以下の懲役または300万円以下の罰金の対象です。

生息域を広げて被害を拡大させることになるため、厳しく規制されています。処分方法を事前に決めておかないと、捕獲後に身動きが取れなくなるでしょう。

③ 1頭捕まえても被害は止まらない

もっとも見落とされやすいのがこの点です。屋根裏に住み着いている個体を捕獲しても、侵入口が残っていれば別の個体がまた入ってきます

アライグマは繁殖力が高く、周辺に生息していれば空いた場所に新たな個体が入り込みます。捕獲だけでは根本的な解決になりません。

放置するとどうなるか

手続きが面倒だからと放置すると、被害は確実に広がります。アライグマは繁殖力が高く、1度の出産で3〜4頭を産むためです。

春に1頭だった個体が、夏には家族で住み着いているという状況も起こります。頭数が増えれば糞尿の量も増え、断熱材の劣化や天井の破損を招くでしょう。

また、アライグマは前足が器用で力も強いため、住み着く期間が長いほど建材の損傷が進みます。早く動くほど、必要な作業も費用も少なく済むでしょう

許可なしでできる対策

捕獲には許可が要りますが、傷つけずに追い払う対策は自由におこなえます。まずはこちらから始めるのが現実的でしょう。

許可がなくてもできるアライグマ対策。餌になるものを片づける、侵入口を塞ぐ、忌避剤や光で寄せつけない。触れずに追い払う対処なら許可は要らない
触れずに追い払う対処なら許可は要りません

餌になるものを片づける

アライグマは雑食性で、生ごみ、ペットフード、畑の野菜や果物に引き寄せられます。これらを屋外に放置しないだけで、寄りつく頻度は下がります。

屋外で犬を飼っている場合、食べ残しを放置しないことも大切です。また、果樹をそのままにしておくと餌場として覚えられるため、収穫できるものは早めに取っておきましょう。

侵入口を塞ぐ

被害を止めるうえでもっとも効果が高いのは封鎖です。ただしアライグマは前足が器用で力も強いため、簡易的な塞ぎ方では突破されます。

金属製の板や頑丈な金網を使い、しっかり固定してください。高所の作業は転落の危険があるため、無理は禁物です。

忌避剤や光で寄せつけない

アライグマが嫌がる臭いの忌避剤や、センサーライトを設置する方法もあります。傷つけずに追い払う行為は法律の対象外なので、許可は不要です。

ただし効果は一時的で、慣れてしまうと戻ってくることがあります。封鎖と組み合わせるのが基本です。忌避剤だけに頼ると、数週間で元の状態に戻ってしまうケースが多く見られます。

業者に依頼すれば許可の手続きも任せられる

ここまで見てきた手続きと作業を、まとめて代行できるのが専門業者です。

業者は捕獲に必要な許可や資格を備えており、申請の代行にも対応します。捕獲後の処分も適切な方法で行うため、依頼者が困る場面がありません。

さらに、捕獲だけで終わらせず、侵入口の封鎖・糞尿の清掃と消毒・破損した建材の修繕まで一貫して任せられます。再発を防ぐには、捕獲より封鎖のほうが重要だからです。

費用は被害の程度によって5万円から30万円ほどと幅がありますが、多くの業者は現地調査と見積もりを無料で受け付けています。


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アライグマの捕獲許可に関するよくある質問

許可申請にかかる費用はいくら?

申請手数料を無料としている自治体が多く、書類の提出自体に費用はかかりません。箱わなも無料または低額で貸し出されるのが一般的です。

ただし狩猟免許が必要な地域では、受験料と講習費用が別途かかります。金銭より、書類準備と見回りという時間的なコストが大きいと考えたほうがよいでしょう。

許可が下りるまでどのくらいかかる?

自治体によりますが、数日から2週間程度を見込んでおくと安心です。申請の混み具合や、書類の不備があれば延びることもあります。

その間にも被害は進行するため、並行して侵入口の封鎖や餌の片づけを進めておきましょう。これらは許可がなくてもおこなえる対策です。

罠にかかったのが別の動物だったら?

タヌキやハクビシン、猫などがかかることがあります。これを錯誤捕獲といい、対象外の動物は速やかに放してやる必要があります。

ただし放獣の作業にも危険が伴い、動物の種類によっては自治体への報告が必要です。判断に迷う場合は、動かす前に窓口へ連絡してください。

賃貸住宅でも申請できる?

建物の維持管理は貸主の責任にあたるため、まず管理会社やオーナーへ連絡するのが先です。入居者が独断で罠を設置したり、建物に手を加えたりするのは避けましょう。

オーナー側が業者を手配する流れになるのが一般的です。費用も貸主負担となることがほとんどなので、自己判断で動く前に相談してください。

捕獲以外の方法を提案してくれる業者を選ぶ

アライグマ対策では、捕獲だけを勧める業者に注意が必要です。捕獲は目に見える成果が出るため訴求しやすいものの、それだけでは再発します。

信頼できる業者は、現地調査で侵入口を特定し、封鎖工事とセットで提案します。「何か所を、どんな素材で塞ぐのか」を具体的に説明できるかが判断材料になるでしょう。

また、捕獲許可の申請を代行できるか、防除計画にもとづく処分方法を理解しているかも確認してください。法律の説明が曖昧な業者は避けたほうが無難です。

まとめ|手続きの手間を踏まえて依頼先を選ぼう

アライグマの捕獲には自治体の許可が必要で、無許可でおこなうと鳥獣保護管理法違反となります。さらに生きたまま運搬すると外来生物法違反にあたり、こちらは3年以下の懲役または300万円以下の罰金という重い罰則が定められています。

申請自体は難しくありませんが、書類の準備、許可が下りるまでの待ち時間、毎日の見回り、そして捕獲後の処分まで、工程は決して短くありません。

加えて、捕獲できても侵入口が残っていれば別の個体がまた入ってきます。被害を止めるうえで本当に重要なのは、捕獲より封鎖のほうです。

許可と資格を持つ業者に依頼すれば、手続きから封鎖・清掃までをまとめて任せられます。現地調査と見積もりは無料で受けられるので、まずは状況を確認してもらうところから始めてみてください。

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